「妖、やっほー…！？ど、どーしたの
その腕！」


とある昼休みの事…
いつもの如く遅刻してきた妖を迎えた
琉絵は驚愕した。
なぜなら妖は右腕を折っており
ギプスをはめて腕を吊り下げていたからだ。
妖は疲れたような顔をして
でかいため息をついて琉絵の
隣に座った



「河川んとこの弟を車から助けた結果
こうなったんだよ、ずっとヒーロー
扱いされて参った参った…ハァ」
「あは、妖がヒーローだってー」
「あっ、いた！似蛭田さん！
治療費受け取ってください！」
「ぜひインタビューを！！」
「げっ！！逃げるぞ！！」
「わぅっ、」



そう説明してきたその時、
妖を追いかけてきた唯や新聞部の
生徒が追いかけてきた
妖は琉絵の手を左腕で
掴むと急いで逃げだした。



「お願いです受け取ってくれないと
困るんです！」
「いーかげんにしろっつの！」
「あぅぅ、あたし巻き添え」



外へと逃げてもまだ追いかけてくる
生徒たちに妖も琉絵も
参っていたその時、一緒になって
追いかけていた零がとあるものに目が着いた。



「おや？あれは番組の他のメンバーでは無いか！」
「うぇ？」



零の声に見てみると、そこには
確かに妖以外の番組のメンバーがいた
だが彼ら以外に5人ほど知らない男たちがいた
見るからに10歳以上年上なのに白い学ランを
来た留年高校生らしい5人
真ん中には刀を持ったリーダーらしい
男がどっしりと座っていた。




「あんな人ガッコにいたっけ」
「さぁ？知らねぇ…あ、直ぐに負けてやんの」




なんて言いながら見ていると
白い学ランの男4人は番組の
メンバーにすぐにやられてしまっていた
明らかに喧嘩をしているらしいメンバーに
妖が声をかけた。




「おい何やってんだオメェら」
「ん、貴様もしや似蛭田妖！？」
「だったらどーした」




妖を見据えた男は刀を抜くと
構えて妖に叫んだ。



「私は悪田組リーダー富国狂兵！
この学校の番長となるべく貴様に
勝負を挑む！！降りてこい！！
私と1体1の勝負をしろ！！」
「よ、妖…腕折れてんだから
やめときなよ…」
「琉絵」




ぽん、と妖は左腕で琉絵の
頭を撫でると微笑みかけた。




「あんな雑魚に俺が負けるかよ、
おい変態男！勝負してやってもいいぜ」
「ふふ、いい度胸だ」




妖は勝負を受け…
一体一の勝負が始まった。