「見えてきた見えてきた！」



金曜日の翌日の連休‥
愛花達四つ子とその恋人
である塊達は愛花の田舎
である川有市、谷有村へやってきた
バスから見えたバス停に愛花は
思わず窓に張り付いた。



「おじいちゃんとおばあちゃん元気かしら」
「電話で知らせたけど元気そうだったのー」
「あと4人連れてくるって言って来たけどねー」



一方その4人組‥彼氏たちはと言えば




「まーさか薫ちゃん達の
田舎が私のじーちゃんと同じ村
だったとは！！世界は小さいなぁ！」
「それを言うなら世界は狭いだろ？」
「北海道ではそういうのか？」
「にしてもほんとに何にもないな」
「喫茶店すらもなさそうだな」




窓から景色を眺め、本当に何も無いと
妖と翔が何も無いと言っている中
まさか祖父とおなじ村だったとはと
零が驚いており、塊は零の言い間違えに
突っ込んでいた
そう、愛花達の祖父の村は
実は零達の祖父とおなじ村だったのだ





「バス停ついたついた、ここから歩いて‥ん？」




バス停につき、荷物を持ち降りようとしたその時‥
窓から見えた見覚えのある影
愛花たちは先に降りて
その人物へと駆け寄った





「おじいちゃん！！久しぶり！」
「愛花ちゃん、薫ちゃん
理央奈ちゃん、琉絵ちゃん！
大人の女性さなったべな！」




四つ子を出迎えたのは彼女らの祖父
父方の祖母である西園寺大五郎であった
穏やかな表情を浮かべてシワシワの
その手で愛花たちの頭を
1人ずつ撫でていく。




「ジーちゃん太った？」
「それを言うな‥ん？後ろの
男前の4人が連れだべさ？」
「あ、初めましてどうも」



そのあとからゾロゾロと塊らが
荷物を持ち降りてきてぺこりと
お辞儀をし、薫が
手で彼らの方をさしながら紹介する




「あ、じいちゃんあのね
彼らはその‥あたしらの彼氏なの」
「なぬ！？！？」




彼氏、という言葉を聞いた祖父は
しばしの間固まると‥でかでかと
大きな声で叫んだ





「孫が嫁に行くぞぉぉぉーーーー！！！」
「「よ、嫁ぇ！？」」




いきなり色々すっ飛んだ言葉に
目を見開いて驚いた、が
満更でもなかった
祖父は近くにいた零の手を取り
深深と頭を下げた




「何どぞウチの孫をよろしくお願いいたしますだ‥！」
「あ、あははどうも」
「じ、じいちゃん気が早いってば！！」