順路に剃って移動すると次は
サメのエリアに出た
大きな水槽の中を迫力
を醸し出しながら泳ぐサメ
に多くの客が集まっていた



「やっぱサメでしょ王道は！」
「男性ってサメ好きですよね」
「かっこいいもん」
「男子らしい所、貴方にもあるんですね」



意外と翔にも男子らしい感性が
あるのだと理央奈は
くすくすと笑った。
カワウソやアシカのエリアも周り
群れをなす魚のエリアも周り…
そして次は




「あら、ふれあいコーナーですって
行ってみます？」
「何がいるの？」



ふれあいコーナーの水槽を覗いてみると
ナマコやタコやヒトデ…サメやカメもいた




「触れる生き物います？翔さん」
「えーーー…そうだなぁ…んー…」




どれもちょっと躊躇してしまう、と
目線を泳がせる翔に理央奈は
ふっ、と笑うとネコザメを優しく撫でて
彼の方をむく



「翔さん翔さん、ほらネコザメなら
大丈夫なんじゃないんですか？
ザラザラしてますよ」
「んー…噛まない？」
「噛むんならここにはいませんよ」
「それもそうだね」




恐る恐る…と言ったように手を伸ばし
撫でてみると…案外怖くはなく
翔はそのままネコザメを撫でる




「あ、ほんとだザラザラしてる
大人しいね！」
「そりゃふれあいコーナーにいるんですから
…ナマコも触ります？」
「無理っ！！！」
「あははは」




ナマコも勧めてみたが翔は
首をブンブンと振り拒否した
その様子に思わず吹き出して笑って
しまった理央奈だった
そして次はいよいよ水族館の
メインイベント…




『間もなくイルカショー開催します！』
「ビニールシート広げててくださいね」
「濡れるもんね」




イルカショーが開催される
ホールへと2人は来ていた
水があまりかからないようにと
前へは座らず程よくショーが見れる
位置に座りブルーシートを広げた
そして犬笛の音が響くと飼育員の
指示通りにイルカがショーを披露する
水飛沫も飛んでくるが
そのショーを楽しみつつ、
見終えた2人はまた手を繋いで
ホールを出た



「あんまり濡れなくて良かったですね」
「前の方のお客さん
びしょ濡れだったけどね」



そして次に向かったのはお土産コーナー
お土産コーナーへ着くと翔は
理央奈の方を見て彼女が
髪を結んでいるヘアゴムを撫でた。




「？翔さん」
「理央奈ちゃん、これ
最初に来た時からずっと
大切にしてくれてるよね」




理央奈が着けているこのイルカの
ヘアゴムは初めてここに来た時に
翔がプレゼントしたものだ
理央奈はその時からこの
ヘアゴムを大事に使っていた。