前で仲良く歩く事代先生と若人先生を
見て千絵がぼそり、と呟く



「しかしあの2人意外とお似合いね」
「あれで腕でも組めばお似合いなのにね」



そう話していると、事代先生が
そっと若人先生に肘を差し出した。



「わ、若人先生…」
「？別に綻びてませんわよ」



腕を組みたかったようだが若人先生には
気づいて貰えなかった様子だった
そしてその後ろでは…



「若人先生気づいてねーでやんの」
「ここにもう組んでるカップルがいたわね」



平然とした様子で塊と愛花が
妖と琉絵が腕を組んで歩いていた
その様子をみた付き合いたてである翔は…



「ね、理央奈ちゃん…」
「…？」



す、と隣の琉絵に肘を差し出し
腕を組んで見ないかと遠回しに
アピールをした所




「………ん」
「！こっちって事ね…」




さすがに腕を組むのは恥ずかしかったのか
理央奈は無言で手を差し出した
その行動に、手を繋ぐ方がいいと
察した翔は彼女の手を握った。




「…いいなぁ…」



愛する恋人とイチャつく姉と妹を見て
薫は羨ましげに指を咥えて見る…
そしてちらちら、と零を見ると




「れ、零くん…」
「ん？」
「ん、ん…」
「んん？？」



ちらちらと姉妹たちを見ながら
手を差し出すと、零は首を傾げて
悩んだかと思うと…




「しょうがないなぁー1個だけだよ？
これ零ちゃんのっ！！」
「（ずっ………）」




零は何を勘違いしたのか
薫の手にちょこん、と
チューインガムを1枚乗せた。




「欲しかったんじゃないの？」
「いや、あの…ありがとうね」




全く違う、わかってくれないと
薫はがっくし項垂れて
零から貰ったチューインガムを
口に放り込んだ。