「(‥‥‥)」



一旦翔の家族や色男組のメンバーか
帰り‥理央奈は残って翔の
そばに居ることにした‥
夕方になっても翔の意識は戻らない




「‥‥あのまま‥‥」



あのまま彼の意識が戻らなかったら
自分のせいだと自分を責める。
そう思うと、なんてことをしてしまった
のだと自分を罵る。




「‥‥私‥‥」




どれだけ彼が自分を好きでいてくれて
いたのかと理央奈は実感した
中学生の頃から一途に好きでいてくれた
事‥‥なのに、自分は彼に冷たく当たり
彼の事を信用し信じなかった。






「君のことが好きで好きで仕方ないんだ
だから、俺と付き合ってください」

「………これ本当ね、俺の好きな気持ちは
ずっと変わらない……理央奈ちゃんが
振り向いてくれるまで、いや振り向いて
くれてもずっと言い続けるかな」

「‥翔、さん」




彼の言葉が何度も頭をよぎり
涙が込み上げる‥
そのまま涙は止まらなくなり、
ボロボロと理央奈は
翔の眠るベッドの横で泣き続ける‥




「う‥‥ぅ‥っく‥」




眠る翔に縋り付き、声を押し殺す
ように泣き続ける‥
それでも翔は目を覚まさない




「(こんな事になるくらいなら‥)」




もっと早く、素直になれは良かった
もっと早く、気づけばよかった

もっと早く‥




「貴方に‥伝えればよかった‥！！」




もっと早く返事をしていればよかったと
理央奈は後悔し、ベッドの布団を濡らす







「‥好きです‥‥好きです、翔さん」





ずっと誤魔化していた言葉を
要約口にした
翔の手を包み込んで握りしめる。




「お願い、起きて‥貴方に‥




貴方に、好きだと伝えさせて‥」





眠る翔にそう懇願して、泣き続ける
理央奈の声を病室のドア越しに
聴きながら‥鳥雄は拳を握る。




「(翔、早く起きろよ‥‥
じゃないと理央奈ちゃんは
救われないよ)」




理央奈の心を元気にさせることが
できるのはお前だけだ、と唇を噛み締める





「‥僕じゃあダメなんだよ‥」