「あーびっくりした‥あ、えと、」
「‥えーと、言うことないなら
もう行くよ？あたし」
「っあ！！ま、待ってくれ！！」



言うことがないなら、と愛花が
戻ろうとすると塊はすかさず彼女を
急いで引き止めた




「日曜日、予定あるか！？」
「わっ！え、日曜日？ないけど？」
「そ、そっか！！良かった‥」
「んでそれで？」
「えと‥その‥‥‥」



予定がないのは良かったが
次はデートの誘いだ



「スー‥ハー‥よし！」



塊は後ろを向き深呼吸をすると‥
覚悟を決めたかのように頷き
向かい合った



「に、日曜日なんだけど‥‥
い、一応モール行かないか！？」
「一応モール？わ、あたしそこで
やってる映画とお化け屋敷のイベント
気になってたのよねー！」
「そ、そうなんだな！じゃあ」

「んでメンバーは！？」

「「(ずっ！！)」」



まさかの「メンバーは？」との解答に
またもやズッコケた
‥後ろにいる薫達も



「め、メンバー、？」
「え？うんメンバー」

「愛花ったら、デートの
お誘いってことに気づいてないわ！」
「やれやれ‥‥助け舟を出しますか」



これではダメだ、と理央奈は
愛花に近寄る



「理央奈！あのね、今モールに
行こうって話が出てて」
「あ、ちょ、」
「‥‥私達はあいにくその日
別の用事があるんですよ、だから‥」



ぽん、と愛花の肩を叩き
塊の方を向く



「雲童さんと2人で行ってらっしゃい」
「え？そうなの？‥じゃあ塊、あたしと
2人で行ってくれる？」
「！！！！も、もちろん！！」



デートの誘い失敗か、と内心慌てていた
塊は愛花の言葉に一気に
顔色を明るくさせて何度も頷いた




「じゃあ待ち合わせ場所は一応公園の
噴水の前でいい？」
「わかった！！じゃあ、待ってっから！！」
「じゃ、約束ね！」
「お、おう！！じゃあ！」



デートの約束を取り付けると塊は
足早に教室へ戻っていく‥途中で
拳を強く握り



「っっよっしゃーーーー！！！」



人目はばからず大きな声で喜んだ
その声は3年9組、2年10組にも聞こえた




「ふふ、良かったね塊さん！」
「そうね！」
「やれやれ、我が姉ながら苦労します」
「全くねー」
「普通〜‥デートって気づく‥」
「あ、この事は奇面組には秘密‥って！？」



奇面組には秘密、と言おうとした千絵だったが



「なるほどなるほど‥」
「わっ！？れ、零さん達！？」
「よーし！！今度の日曜日は
塊くんと愛花ちゃんのデートを
尾行して見守ろうじゃないか！！」
「「おー！！」」
「あちゃー‥」



バッチリ奇面組に聞かれており‥
塊と愛花のデートの尾行は
決まってしまっていた

一方9組の腕組メンバーは‥



「お、塊のあの声は‥」
「デートのお誘い成功したんだ！！」
「良かったな！！」
「‥でも気になるなー」



塊のデートのお誘い成功を喜んでいた