そして翔と理央奈は
ウォーターコースターの
アトラクションへと向かい
列に並ぶ……
そして順番が来ると
レインコートを手渡されて
真ん中の方へと座った



「濡れるかもしれませんね」
「だからレインコートを渡されたのかー」



レインコートを着ると、ゴトンと
大きく揺れると共にコースターが動く…
コースターは揺れながらも
コースを走り…そして上まで来ると…




ザバァァァン！！！！！




「「うわっぷ！！」」




顔や髪に水がかかりながらも
コースターは勢いよく
下っていき、その勢いのまま
コースを走ると元の場所へと戻った…
戻る頃には…服こそは無事だが
顔や髪は濡れていた




「あー…はは、びしょ濡れ」
「はぁ…レインコートがなければ
どうなっていた事か」




びしょ濡れになりながらもレインコート
を脱いで出ながらも理央奈と翔は
髪を拭きながらマップを見る




「次はえーと…メリーゴーランドだね」
「えぇ、行きましょ」
「うん、行こっか」



にこ、と微笑んだ翔に顔を
逸らしながらも手を握られながら
メリーゴーラウンドへと歩いてゆく
メリーゴーラウンドには馬や
馬車といった乗り物があったが
2人は…？





「ね、2人でこれ乗ろう」
「馬車ですか」




2人乗り式の…まるでシンデレラにでも
出てきそうな馬車だった
少しこれは恥ずかしい、とは
思ったが理央奈は頷いた




「…はい、いいですよ」
「やった！じゃあ…」
「？」



す、と翔は理央奈に手をさし伸ばした




「お手をどうぞ、お姫様」
「…全く」




変な所で悪ノリするんだから、と
溜息をつきながらも翔の手を取り
馬車へ乗り込む、と
ベルが鳴りメリーゴーラウンドは
軽快な音楽とともに動き出した
静かに動くメリーゴーラウンド
翔は隣にいる理央奈を見て
静かに頬を染めた




「(…前と比べて、優しくなったよな)」




それは一体どういう事か、翔は
勘づいていた




「(俺に心開いてくれたって事だよな)」

「(どうしよう、嬉しい)」




思わずにやけそうなのを抑えて
ただ、静かにメリーゴーラウンドに
身を任せていた