そう話しながら歩いていると
雲童家へ到着した。
愛花は彼氏の自宅に
来たことなんて初めてで物珍し
そうに家全体を見る
中々に年季が入った日本家屋だ。



「ここが俺ん家だ、まぁ入れよ」
「お邪魔しまーす」
「あ、俺が開けてやるから…危ないから」
「え？危ない？なんで？」



ガラガラ、と扉を開くと
愛花を先に入れて
扉を締める。
なぜ気をつけるのだろうかと
愛花が首を傾げる




「俺ん家さぁ、日々の修練を欠かしては
ならないって父ちゃんが言うもんで
自然に体力付けるために戸はバネで
勝手に閉まるしちゃぶ台とかも鉄で
出来てんだよ！」
「へ、へぇーそう…お父さんも
スポーツに熱が入ってる人なのね」
「そうだよ、最近じゃあ
電気も自分で賄おうかって事で
自家発電装置置こうかって話が…」





話を聞くなり、どうやら家族全員
スポーツ一家のようだと軽く笑った。
家まで改造するか…と思いつつも
興味本位で戸に手をかけてみる



「ちょっと開けれるか試してみよー」
「やめとけよ、危ないぞ」
「よい……………っと！！」




軽く力を入れて戸を引いてみる…と、
戸はガラガラ、と音を立てて開いた。




「あっ、開いた！ちと重いわね」
「開けれたのか！？大丈夫か腕」
「んーん！一応小さい頃から
空手やってるものあたし！」
「さすが愛花…」




これならいつ嫁に来ても大丈夫だな、と
ふと将来のことを考えて頷いた。
将来愛花が嫁に来ても
問題ないと確信してその未来を想像
してはにやけてしまう。




「(いつかは……ふふ、)」
「塊？ねぇ塊、あたし塊の部屋見てみたいな」
「へ！？あ、そうだな俺ん部屋行くか！」




妄想に浸っていた塊はふと愛花
に話しかけられてびくりと肩を跳ねさせる
そして案内していくと廊下の突き当たりに
塊の部屋はあった。




「おじゃまー…へぇー綺麗だね！」
「たはは、昨日片付けたからな！」




塊の部屋は、愛花が想像
していた通り…筋トレ道具や
トレーニンググッズが多く置かれて
いたが綺麗だった。
後どうやらベッド派でなく布団派らしい