「…いてて、あーもう顔に傷が」



屋上の柵に頬杖を着きながら…
翔は手鏡を眺めてため息をついた




「………」




手鏡を直して塊の発言を思い出す





「ま、まぁ…理央奈は真面目な性格で
お前はそのー…人が軽い所があるから
相性とかイメージとか…あるんだろうな」

「なんて言うんだろ、イメージを何とか
したらいいんじゃねぇの？
それとかまずは信頼して貰う事
からとか…友達からとか」



発言を思い出し…大きなため息を
ついて突っ伏した。



「…言うことは最もだけどさぁ……」



塊の言うことは最もだ
自分と理央奈の相性は悪い
また、理央奈から見た自分の
イメージも悪いという事も最もで…




「(改めてそう言われるとムカついて…)」



自分の八つ当たりだという自覚は
あるけど言い方ってもんがあるだろ、と
ムカムカしながら突っ伏して景色を眺めていると…



ガチャ



「…翔さん」
「！！え…理央奈ちゃん？」




奇面組から情報を得た理央奈が
彼に追いつき…要約彼の元へと到着
することが出来たのだった。
何故ここに意中の彼女が、と
姿勢を正して翔は理央奈の
方に体を向けた。




「あなたが珍しく喧嘩して
ここにいると聞いたもので…
傷だらけで黄昏ちゃって」
「う、それは………」
「……全くもう、手がかかる」



ポケットから絆創膏を取り出すと
翔の顔の傷に絆創膏を貼ってやる。
空気が入らぬように優しく貼り…
軽く対処すると翔から離れた。




「これでよし」
「あ、ありがと」
「……それでなんで喧嘩なんて」
「……………ごめんそれは言いたくない」