しかしそんな事よりも
翔の言う大事な話、というのが
気になった理央奈は
鞄を持ったままで要件を尋ねた



「あの、わざわざ呼び出して
大事な話とはなんでしょうか」
「来てくれてありがとう…
その、卒業する前に伝えたい事が
あって……」




チラリ、と翔と鳥雄は互いに
目線を合わせ合いアイコンタクトを取る
どちらが先に言うか、という
アイコンタクトらしいが




「(おい、どっちが言う)」
「(…翔から先どうぞ)」
「(なら遠慮なく)」



どうやら翔から先に言う事になったらしい
翔は深呼吸をすると、理央奈を
真剣に見つめて……何度も練習した
言葉を口に出す。




「……理央奈ちゃん、俺…
君と初めてあった時から俺は変わった
と思う、君にあってから君以外の
女の子に興味が無くなって…君の
事しか頭になくなった」
「いきなりなんです」




いきなりのキザなセリフに
またなんか始まった、と最初は
思ったが珍しく翔が真剣そうなので
黙って聞くことにした。




「………俺、君が俺の事を
好きになってくれるんならもう
他の女の子とは縁を切る
理央奈ちゃんだけを好きで
居続けるって誓う…そのつまりは」




ごくり、と固唾をのみこんで…
想いを口にした。










「君のことが好きで好きで仕方ないんだ
だから、俺と付き合ってください」

「……………は…？」





まさに真剣にしか思えない”告白”に
またいつもの口説き文句かと
思っていた理央奈は
呆気にとられた。
そして翔の告白が終わると
次に鳥雄が前に出た




「…次、僕いいかな」




理央奈は鳥雄に顔を向け
鳥雄はポツリ、ポツリと語り出す



「……僕、髪を解いた君の姿を
見てから君に一目惚れして…
それからずっと君のことを
想ってました」




ぐ、と余裕が無さそうだが
どこか男らしい表情を浮かべて
鳥雄も想いを伝えた







「君のとなりにいるのは…
僕じゃダメですか？
好きだよ、理央奈ちゃん」

「………えぇ………？」




翔の次に鳥雄、と続いた
愛の告白に理央奈は
頭が真っ白になりながらも…
頭を巡らせる。