愛花と理央奈は
飛び上がると…………



「調子乗んのも！！」
「いい加減になさい！！」



ヤクザの腹に何度も拳を入れ…
ヤクザは倒れ込んだ
ヤクザが倒れ込んだのを確認すると
2人はくるり、と振り返った



「さてと！帰ろー」
「はぁやれやれ…片付きましたね」



ヤクザを倒したと思い込んだ
先生達は共に喜んだ
これで問題は無い…



「や、やりましたよ！！西園寺がやりました！」
「まさか空手有段者だったとは…」
「これでもうあんし…」



と思ったのだが…



「こ…この…」
「やろぉぉぉ！！」

「！？わぁっ！！」
「きゃっ、！！」



まだ意識があったヤクザ2人が
起き上がって愛花と理央奈
を両腕で捕まえたのだ！！



「愛花！！」
「理央奈ちゃん！！」



好きな相手の聞きに痛む体に
ムチを打って立ち上がる
ヤクザ二人はボロボロになった
体で愛花と理央奈を
捕まえて睨む…



「愛花、理央奈！
コラー！離しなさい！！」
「っこの、まだ体力残って…」
「落とし前付けさせてもらうど！！」
「どうしてやろうかぁ！！」
「、やばっ、」



唯がポカポカ、と叩くがビクともせず
身の危険を感じて2人が目を瞑り
覚悟をしたその時…
零がすかさずやられた男性陣を
集めて相談し始めた



「相手は化け物だ、一人じゃ
かな行っこない！一か八か
あれをやるぞ皆！！愛花ちゃんと
理央奈ちゃんを助けるために！」
「「おう！」」

「メンバーは即席ではあるが…
これぞ必殺！！」



すかさず5人並ぶと後ろを向き…




「「奇面フラッシュ！！！」」
「「どみええっ！？」」

「うわっ！」
「っと…」



ボコボコになったせいで奇面となった
顔を使った奇面フラッシュを放ち、
ヤクザ達を無事に倒し、愛花と理央奈はヤクザの腕から解放され
一回転して着地した


愛花と理央奈の2人に
塊と翔がすかさず駆けつけた



「愛花！だ、大丈夫か！？怪我は！？」
「や、私よかあんたのが大丈夫…？
顔ボッコボコなんだけど」
「理央奈ちゃん！怖かったね！！
怪我なくてよかった…！」
「…怪我してんのはあなたでしょ」
「理央奈ー、なんか傷薬とかない？」
「絆創膏しかありません」



そう話す生徒たちに先生は
これは合格だ、と話していた
そしてその帰り道…



「奴らにどつかれた顔が功を成した訳だ…」
「なんのために集められたんだ…？」
「えらい目にあった…」
「…ね、塊」
「ん…？」


くい、と塊の制服の袖を
愛花が引っ張り
塊は愛花の方を見る



「さっき、助けようとしてくれてアンガトね」
「い、や……ボコボコにやられて情けねぇと思ってる」
「んな事ないって、かっこよかったよ」
「！！ほ、ほんとか！？」


かっこよかった
その言葉だけで塊は痛みが飛ぶような思いになった
そして一方理央奈はその後ろで…



「……ほら、応急処置です」
「いててっ！あ、りがとう…理央奈ちゃん」
「ヤクザにヘコヘコして情けない」
「うぐぅ…」
「でも…」



翔に絆創膏を張っていた
ブツブツと毒を吐いていたが
ふっ、と笑うと翔に向かった



「でも、私たちを助けようと立ち上がった
心は褒めてあげましょう」
「！！…へへ…」



初めて理央奈に褒められた翔は
嬉しそうに微笑んだ
初めて彼女に褒められて、いい反応が
見れて嬉しかったのだ

塊と愛花
翔と理央奈の距離が
少し近づいた瞬間だった…