海中にいるかのようなコースを抜けると
開けた場所に出た。
そこにはラッコの水槽やウミガメの
水槽等があるコースの様だった


「！！っあ、ラッコ…！可愛い、
ぬいぐるみ見たいです…！」
「お、ほんとだ可愛い〜」



水槽の中のラッコはちょうど
水に浮かんで貝をお腹の石に
叩きつけて食べようとしている所だった
やっぱり理央奈も女の子
可愛いものが好きなのだろう
キャーキャーと騒ぎながら
ラッコを見ていた。



「あぁ可愛い…連れて帰りたい…
でもできませんね、知ってますけど」
「…ふふ、そうだね」
「なんですかその目は」
「え？いや、理央奈ちゃんの
そんなにはしゃぐ姿初めて見たから
なんか嬉しくて」
「変な人」



しかめっ面以外の色んな表情
コロコロと変わる表情がいつもと
違って全部が新鮮で…
そんな表情を目にして、思うんだ




「（やっぱり俺はこの子の事が本気で
好きみたいだ）」



だって、君の笑顔を見ると口説き文句も
恋愛テクニックも頭に浮かばなくって
君のことばっかり見てしまうんだから…
そしてウミガメやジンベイザメを
堪能した後はお土産コーナーに移動した。




「これも可愛い…ぬいぐるみもいいですけど
少々お値段が…やっぱりマスコット
キーホルダーですかね…」

「やっぱり可愛いものが好きなんだなぁ…ん？」




理央奈がラッコやカワウソ、ペンギン
のマスコットキーホルダーを前に
どれにするかと悩んでいる様子を見て
翔は目を細めて頬を染めて見つめて
いたがふと視線をずらして写った
商品に目を止めて…人知れず、その商品
を手に取ると会計へ向かった。


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水族館を出て、翔と理央奈は
ゆっくりと歩いて帰路に着いていた
理央奈は今日の余韻に浸る
ようにして息を吐いた



「…楽しかったです、ありがとうございました」
「楽しんでくれたなら良かったよ
楽しそうにしてくれて嬉しかった」