「ナイツは私が妊娠したって
聞いた時はとても喜んでたわ
…子供にはめいっぱい愛を注いで
あげるんだって、ワイズマンみたいには
ならないって」



ナイツは妊娠が発覚した時、
お腹に耳を当てながら語っていた




「ルア、俺約束するよ
絶対この子の夢を応援して、この子が幸せで
自由に生きられるように頑張るってな
…いいお父さんに、絶対になってみせる」





ワイズマンの事を教訓にして、ナイツは
良い父親になるのだと、子供には自由で
幸せな人生を送って欲しいのだと語っていた
その言葉を聞いてアイも頷いて語る。




「…リアラもワイズマンの事を教訓にしてる
みたいだった、だけど少し不安に
思ってたみたい」




ナイツとは真逆にリアラはワイズマンの様に
自身の夢を無理強いしたり
縛ってしまったりと…ワイズマンの
二の舞になり子供を苦しめてしまうのでは
ないのかと不安に思っていたようだった。




「…アイ、私は自分が怖い
いつの日か私もワイズマンの様に横暴に
なってしまわないか…私はこの子にとって
良い父親になれるのだろうか」




そう言って不安になるリアラにアイは
優しく抱き寄せて頭を撫でて
大丈夫だ、大丈夫だと言い聞かせた
まるで小さな子供に語りかけるかのように…





「リアラはいいお父さんになれるよ
だってリアラは優しいもの、赤ちゃんも
きっと分かってくれる、そんな心配
してる時点でもう大丈夫……
もしもリアラがそんな事になったら
私が止める、安心して」
「…アイ」
「自信もって、パパ」





父親になれるのだろうかと
不安がる夫となったリアラに
そう微笑みかけるとリアラは
安心したように微笑み返して
アイを抱きしめた、
そんな記憶はもう数ヶ月ほど前のことだ
大きくなったお腹を撫でながら
そんな記憶を思い返す。