そして三年後…その時はやってきた



『ナイツ、リアラこの時によく耐えました
今日でここから卒業になります』
「え、卒業？」
「という事は…」




卒業との言葉にナイツとリアラは戸惑い
問いただすと、優しい声で返答が帰ってきた




『あなた達は現実世界に行ってももう大丈夫
…人間となって彼女の元へと行きなさい』

「…いい、のか？」
「行けるのか…やっと…」




ナイツとリアラにとって3年なんて
大した時間じゃなかったはずだった
だけれど、この3年間だけは
長く長く時間がかかったように思えた





『まずは人間になりましょう』

「「！！」」




そう境目の管理人が告げると
2人の体は光に包まれ
目を開けて体を見下ろし手を見ると…
もう、今までのナイトメアンとしての
体ではなく人間の体となっていた。





『戸籍は既に元々あったものとなっている
…幸せになれ、ナイツ、リアラ』
「…おう、今までありがとうな！」
「恩は忘れない」
では、さらばだ』




境目の管理人がそう告げると
扉が現れ、ナイツとリアラは
扉を潜り………1度、あの世とこの世の境目を
振り返って扉をくぐり、ベルブリッジへと
向かっていった。




………………………………………………………………………

「っと…ここが現実世界か！」
「賑やかで…なんというか、夢の世界と
全然違うな」



初めて降り立った現実世界に
ナイツは目を輝かせて辺りを見回しており
リアラは街を行き交う人々の
顔を覗き込みアイを探していた。




「っと、ルアとアイを
探そう！！…2人がいる場所は…」
「…1つしか思いつかないな」
「俺も、1つしか思い浮かばないな」




2人は顔を見合せて笑った




「「ベルブリッジの時計塔！！」」




あの時、ワイズマンとの決戦の際に
訪れたベルブリッジの時計塔だ
上を見上げれば直ぐに時計塔は見つかり
ナイツとリアラは時計塔へと走っていった。
時計塔へと走っていき見回すと…





「…………ルアとアイ？」
「………！！……美しくなったな…」





2人はすぐに見つかった
テーブルに座り話している2人は
3年前とは違い美しいレディになっており
思わず目を奪われ…
そして我に返ると深呼吸をして
2人の元へと歩いていった。








「やっと会えたな」
「これからずっと君のそばに居るよ」



「ルア」
「アイ」




名を呼んでやると、愛しい彼女は
目に涙を浮かべて抱きついて…
自分たちもそんな彼女を抱きしめた

2人の魔人は人間となり、愛する女性を
迎えに行き…​永遠の愛を誓った

永遠に傍にいると
これから君を守ると…