さく、さく、と草を踏みしめる足音と
風の音と小川が流れる音が聞こえる中
少し間をおいてルアは口を開いた



「…アイ、あんたさ…
リアラになんて言われてたの」
「……リアラはね…お姉ちゃんは
ナイツに騙されているんだって…
ナイツは悪いやつなんだって、だから
ナイツを捕まえようって…」




アイの返答に
ふう、と少し息を吐くと
ルアは真実を話す。





「それ違うわよ、リアラはね…
ナイトメアの主…ワイズマンの
命令でナイツを陥れようとしてるの
んでワイズマンはナイトピアを
消し去るのが目的………」
「……じゃあ、ナイツは？」
「ナイトピアを消そうとしてる
ワイズマンに反感持ってて、
私たちに協力してくれてるのよ」




真実を知ったアイは
青い顔色をしていたが
深呼吸をして言葉を紡ぐ。




「……全部、違ったんだね………
私、お姉ちゃんに酷いこと……」
「あんたは騙されてたんだから
仕方ないでしょ、大丈夫」




騙されていた、そう知っても…
アイの心の中には
リアラへの想いが募っていた。



『(お前は笑っていてくれ)』
『(お前、は…悪くないだろ)』

「…ねぇ、お姉ちゃん」
「ん？」




姉から見たらリアラは「悪い人」だろう
だけど………

アイは勇気をふりしぼり
ルアに話す事にした。





「私、ね…まだリアラと一緒にいたいの
リアラの事が好き」
「…アイ」





妹の真剣な表情にルアも
アイの言葉を聞く事にした
アイはたどたどしく、リアラとの
思い出を語る…





「リアラはね、その…私のワガママとか
聞いてくれたり…辛いことがあったら
話聞いてくれたり、ナイトピア
案内してくれたり、優しかったの
…騙されてたって事は知ってる、
だけど、私リアラが好き」
「………」




その言葉を聞き、ルアは
本当にアイはリアラが好きなのだと
知り………反対の言葉をかけようとしたが
そんな言葉は妹の言葉を聞いて
そんな気もなくなった。