5年前…リアラとアイの間には
めでたく、男の子が生まれ
リアラは今3人家族として
暖かな家庭を築いている。



「………」



ずず、とコーヒーを啜って
絵本を読み聞かせる#NAME2##と
息子のリオーレを眺める
そんな光景を見ていると
心の底から「幸せ」だという
感情が湧き上がった。



「(…まさかナイトメアンとしての
力を全て持って産まれてくるとは)」



この息子のリオーレと
ナイツと#NAME1##の娘であるナルは
ただの子供ではなかった
ナルとリオーレは…ナイツとリアラが
ほぼ失ったファーストクラスの
ナイトメアンとしての力を全て持って
産まれてきたのだ
飛ぶ事が出来て変身することも出来て
パラループも出来て…

ビジターでもナイトメアンでもない間の子と
言うことで「ビジタメアン」と名付けられたが…
壁となったのは、この現実世界であった
飛ぶことが出来ることを驚かれてしまったり
飛ぶことが出来るのをいい事に悪事などに
巻き込まれたりと心配したのだが…



「(…心配が要らなかったのは
まぁ安心だったがな)」




2人の心配を他所に、ナルとリオーレの
能力は一時期は驚かれて注目されたが
すぐにブームは過ぎ去り徐々に
受け入れられていった
現実世界に転生してきて
気がついたのだがこの世界には二本足で
人のようにして過ごす動物なども
いるのだから、心配入らなかったかと
リアラは息を着いた。




「父さん、父さん」
「ん？どうしたリオーレ」
「これ父さん？」




リオーレが持ってきた絵本に載っていたのは
ナイトメアンであった時の自分の姿
そう、#NAME2##が読んでいた絵本は
#NAME1##が書いた絵本だった
リアラはくすりと笑いながらも
リオーレを膝に乗せた。




「あぁ、そうだよ」
「父さんも俺と同じように飛べたんだね」
「うん、そうだ…父さんも昔は
リオーレのように自由に飛ぶことが出来た」




リオーレは自分によく似ている、と
妻となった#NAME2##は何度も言っていた
そんなリオーレのために…リアラは
息子に語った





「だがな、リオーレこれだけは父さんと
約束してくれ」
「？なぁに？」
「リオーレの力は人を助け、愛する為の
力だ…この力を決して悪用しては行けないよ」
「悪用？」
「悪いことをしちゃいけないという意味だ」




かつて、#NAME2##を騙しにかかって
#NAME2##の事を傷つけてしまった
経験のあるリアラだからこそ…

悪夢を使い数々の人間を恐怖に
陥れたリアラだからこそ…

ナイツを捕らえようと、その為なら
彼の命などどうなっても構わんと
言ってきた過去のあるリアラだからこそ、
息子に語りかけるのだ

人を不幸にさせる罪を犯しては行けないと




「分かるね？リオーレ」
「うん、俺約束するよ」
「いい子だ」



我が子を抱きしめリアラは心に誓った
この子の未来を、明るい物に導いてやろうと
もしもこの子が道を踏み外しそうになった
その時は憎まれ役になってでもいいから
道を正してやろうと…