ここは歴史ある街が多いジョウト地方。

ワカバタウンの側にある大きな森…アルスの森。

そこには赤ん坊の頃からポケモンと暮らしている野生少女がいると噂だった。



……




「んー…ムニャ…へへ、あたいもうそんなに食べらんない…」



木の上で、何やらにやにやしながら眠っている桂色の肌の少女…彼女こそが、
野生少女のマジュである。

彼女が寝ていると、マジュが寝ている木の下を大きなポケモンが通った。


そのポケモンはピタ、と止まりマジュが寝ている気を見上げた。

スゥっ、と大きく息をすって…




『マジュ！！いつまで寝ているつもりだ！！！』

「っわぁああ！？」



マジュは驚いて木から落っこちた。
腰をさすりながらそのポケモンを睨みつけた。


「うぅ…いたたた、いきなり大声出さないでくれよー…あたい腰打った！！
エンテイ！！」




そう、マジュを起こしたのは伝説のポケモンのエンテイだった。
エンテイはため息を付きながら言葉を繋ぐ。



『いきなり大声出すなじゃないだろう…
もう昼を過ぎているぞ。いくらなんでも寝過ぎだ』

「むー、エンテイのケチ…」
　

『いつまでも寝ているとデブになるぜ』

「あたいデブなんかにならないぞ！！」


『髪が乱れていますよ、マジュ。』

「お？ホントだ！サンキュースイクン！」



そんな森育ちの彼女が旅に出ると
言い出したのは最近だった