「ん？」
「おぉー！これはスザクさん！！
いらしてたんですね！！」



マジュが振り向くとそこには
髪の先に赤や緑のグラデーションの
色がしたオレンジ色の髪を1つに結んだ
男性がパーカーのポケットに手を突っ込み
ながら歩いてきていた



「おう、リオルマンに興味持って見てたん
やけど嫁とはぐれてしもうてなぁー知らへん？」
「ランゼーさんなら先に出ると仰ってましたよ」
「なんや釣れへんなぁ待っててくれても
ええやんかせっかちなやっちゃな」
「なんだなんのさわ……………！？」



どうやら男は先程会った
ランゼーと夫婦らしかった
何か声が増えた、と出ようとしていた
エンテイが振り返る…するとエンテイは
その男を見ると目をかっぴらかせて
スイクンとライコウを読んだ



「！！お、おい！！お前ら！！後ろ、」
「は？なん………！？」
「な、なぜ…ここに」



オレンジの髪の男を見たエンテイ達は
顔色をさっ、と変えてその場に固まった
その間にもマジュは男に話しかけようと
近づいて言っていた



「ん？お前は…」
「あたいマジュ、ここに連れてかれた」
「なんやデビューするんか？デビューするなら応援するで〜…お、そうだ俺の名前は
スザク、よろしゅうなー」
「おう！！でもデビューしねぇ！あたいジムに行く！」
「そーかそーか、ならはよ船に乗らんとなぁ」



男、スザクは一瞬マジュに
懐かしそうな顔をするとにこやかに話し出した
そしてマジュの話を聞き終えると
ケラケラと笑いながらシアターの出口に
歩き出す



「ほな、嫁が待っとるさかい行かなあかんなぁ
じゃあ旅先であったらまたなー
ほなおおきに〜」
「？おう」
「！………あ、」
「…………ほなな」



スザクはエンテイたちの隣を通り過ぎ…
3人の方を見るとフワ、と微笑んで
去っていった



「……………なんでこの地方に…貴方が」
「なぁもうヒウン行こうぜ！！…エンテイ？」
「ん？あ、すまないな…ぼーっとしていた、行こうか」



様子がおかしい3人に疑問を抱きながらも
マジュはヒウンへ行く為に
乗船場へ向かった…