スターーーート！！！


その合図とともに数々の大勢の
生徒がゲートを通らんとおしくらまんじゅう
状態でぎゅうぎゅう詰めになるが…



「最初のふるい」



轟が1番に飛び出して氷結攻撃を
仕掛けて地面を凍らせ生徒を足止めする
ほとんどの生徒は足が凍ってしまい
動けずにいるが…


「これで皆動けないと思ったら」
「まぁお門違いだぜ」
「！！」


すっ、と空を飛びながら横へ現れた
星奈と天城に
表情を変える轟、声は後ろからも聞こえる


「甘いわ轟さん！！」
「そう上手く行かせねぇよ半分野郎！！！」


A組やB組の生徒はこれをくぐりぬけて
ゲートを通り後を追いかける
星奈と天城は最初から
飛んでいたのでこの攻撃は受けずに
空を飛び下の生徒を見下ろしつつ抜き去ってゆく
星奈の方が先を飛んでいるようだ

そしていきなり前を、巨大なロボが立ち塞がった


「！！」
「おっと」
「さぁ、いきなり障害物だ！まずは手始め、第一関門！ロボ・インフェルノ！」



現れたのは受験の際の仮装敵である
前を通せんぼするがごとく所狭しと
並んだ仮装敵に普通科やサポート科の生徒はざわめいた



「おーっと！！飛行している生徒にとっては楽勝だって？HaHaHa！！ご心配なく仲間はずれにはさせないぜ？上を見ろぉ！！！」
「「！！」」



マイクの声に上を見ると…空を飛ぶ
ドローン型の仮装敵が並んでおり
星奈と天城に狙いをつけていた



「こんなこともあろうかと飛行用仮装敵！！ロボ・インフェルノドローンを用意しておいたぜぇ！！！」
「用意周到だね」
「だがな…」



星奈がダイヤの形をした光を
放出してそれを鞭状にして持ち
天城が中指と人差し指を立てて
その指先から炎を出すと…



「「邪魔！！！」」



光状の鞭となったそれをたたきつけて
炎を指先から出して仮装敵を薙ぎ払うと
構わずに先へ進む
そして轟も氷結攻撃で仮装敵を倒し
さらについでに他の生徒の足止めをしていた

『轟！攻略と妨害を一度に！巨大ロボを撃破し突破ァー！そして生月も上空のドローンヴィランを薙ぎ払い突破したぁー！シヴィー！すげぇな！コイツら、アレだな、もうなんか…ズリィな！』


「うわぁぁ！！！上からドローンが降ってくるぞ！！」
「お、おい！誰か巨大ロボの下敷きになったぞ！」
「死んだんじゃねえか！？死ぬのか、この体育祭！？」

　

一方、墜ちてくるドローンの残骸と巨大ロボの倒壊によって足止めされた生徒たちは、悲鳴と共に逃げ惑う
初っぱなからスリル満点の雄英体育祭に、観客は目を見開いてテレビに釘付けだった

　

「死ぬかー！轟のヤロウ、ワザと倒れるタイミングで！俺じゃなかったら死んでたぞ！」
「A組のヤロウは本当嫌な奴ばかりだな…！俺じゃなかったら死んでたぞ！」

　

　倒壊した巨大ロボの残骸から切島が、そしてヒーロー科B組の鉄哲が現れる。『硬化』の個性を持つ切島と『スティール』の個性を持つ鉄哲。共に身体を硬くする個性である。ただでさえ個性が地味な事を気にしている切島は、個性の性質が被っている事にショックを受けながらも走り出すのだった。