「かっちゃん待ってよ！！」
「おせぇんだよデク！！はよしろ！！」


草原の中を走る2人の少年
そんな2人を片方の少年の母親が怒鳴った



「勝己！！そっち行くんじゃないよ！！そっちはあぶな…」
「あ？何？」



勝己と呼ばれた男の子が振り返った、その時




ガラガラ…



「え」
「「！！」」



勝己と呼ばれたの足元が崩れて、
少年は宙に投げ出され…



「かっちゃん！！！」
「勝己ぃ！！！」



男の子とその母親が手を伸ばす
勝己がぎゅっと目を瞑り衝撃と
痛みに耐えようとした…が



「……？(…痛くねぇ…)」



いつまで経っても衝撃は来ない
…なにかに抱き止められている？
そっと目を開けた…その目の前に
広がったのは…





「僕、大丈夫？危ないじゃん」




目の前に拡がったのは陽の光を浴びて
輝く長い金髪の髪
そして同じく輝く緑色の瞳に…
抱き止められた男の子は目を奪われた




「っ…………」
「怪我は？」
「……………」
「ぼーく？」



はっ、と気がついて勝己は
こくりと頷いた



「…ねぇ」
「そか！良かった良かった」



遠くから男の子とお母さんがやってきた
お母さんは怒りながらも勝己を抱きしめた



「勝己！！このバカ！！よそ見するなって言ってんじゃん！！誰かは分かりませんがありがとうございました！！」
「いーえ、大丈夫ですよ」
「か”っち”ゃぁぁぁん！！よがったぁぁ！！！」


びぃびぃと泣きながら男の子が
勝己に抱きついた
だがそれよりも勝己は…
助けてくれた女の子に、目を奪われて…
胸が高鳴って…暑くて仕方なかった



「…………綺麗」
「え？」
「…本当、あなた綺麗な女の子…あ！！そうだお名前を！！」



その女の子は笑顔で答えた



「あたしは星奈、生月星奈！」
「…星奈」



これがその男の子…



爆豪勝己の初恋の想い出だった