一方星奈とはぐれた天城



「だぁぁ！！！身動き取れねぇじゃねぇかよ、っクソ！！」


こちらも人混みに流されて身動きが
取れずにぶつかり、流される‥
流されるままにぶつかり続けて‥



ドン！！



「うおっ！？！？」
「きゃ！！」



強く突き飛ばされて壁に勢いよく
手をついてしまった、が
その時女の子の声がして自分の
胸元を見ると‥



「八百万？」
「っあ、天城さん‥？」


自分の下、胸元にいたのは八百万だった
このままどいたら八百万が潰される
そう思った天城はそのまま
八百万を抱きしめるようにして壁に
挟み込んだ。



「へっ！？あ、あの、あ、天城さん、」
「しー‥動いたら危ねぇからじっとしてな‥むさ苦しいだろうけど我慢してな」
「あ、はい‥」



天城に包み込まれるようにして
閉じ込められ、八百万はその豊満な胸を
高鳴らせながら当たりを見回す天城の事を見上げた‥‥
‥愛らしいように見えて顔立ちは整っており美しい部類に見える彼の顔が
良く見えて‥



「‥‥（どうしましょう、天城さんが近くて‥ドキドキしますわ‥‥）」



どくん、どくんと胸が高鳴る‥
そしてその時、飯田の声が響いた



「皆さん！！大丈ーーー夫！！ただのマスコミです！！何もパニックになることはありません！！ここは雄英！！最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう！」



「マスコミ？‥危険はなさそうだな‥あ、八百万悪ぃ」
「い、いえ、ありがとう、ございました‥」
「（暑かったのかな、顔が赤い）」



そこで天城は八百万を解放した
八百万の顔が赤いのは何故かと
首を傾げたが彼には分からなかった



「チッ、マスコミかよ！！騒がせやがって！！」
「人も空いてきたな、良かったぁ」
「騒ぎすぎなんだわクソが！！」
「‥所で爆豪」
「なんだよ」
「‥‥そろそろ離してくんない？」



爆豪は悪態をついていたがそこで自分が
まだ星奈を抱きしめ続けて
いたことに気がついた



「！離せばいいんだろ」
「ん、ぷはっ‥ありがとうね爆豪、潰されないですんだ！あんたは苦しくなかった？」
「‥‥‥別に、なんてことねぇ」


いつもよりも大人しく返事を返す
爆豪の頬はやはり赤かった。
それを見ていた人が約1名‥



「爆豪と‥星奈ちゃん？今爆豪
星奈ちゃん抱きしめてた？」



それは耳郎であった‥
もしかして、と疑問を抱きつつ戻って言った‥

そして放課後のHR、学級委員長の緑谷はその任を辞退し、新たな委員長として飯田を指名した。どうやら食堂で活躍したらしく、自分よりも飯田の方が適任であると判断したという。切島や上鳴などその様子を見ていたクラスメイトもそれに賛同し、反対意見も無かった為、緑谷に代わり飯田が正式な学級委員長となった。