顔をのぞかせ、また輪入道の攻撃を観察する…と、輪入道は口から光線を鏡に向けて出すと防護服を着た部下のひとりへ浴びせる…すると防護服は溶けて無くなり、再度浴びせると部下のひとりはダイヤへと成り果てた。
もう1人の部下も同じ手口でダイヤへ変えられてしまい、社長は苦い表情を浮かべる。


「あの鏡は妖魔の鏡でな、妖力を何十倍にもする鏡じゃ！…うむ、そうじゃ！鬼太郎！白夜！鏡の裏にまわるんじゃ！」


その助言を聞いた戸田と白夜は鏡の方へ走るが、戸田はダイヤに足を取られて地面へ倒れ込んでしまった。


「っ！しまった！」
「馬鹿！！気づかれた！！」


輪入道は戸田達の方を睨むと光線を放った。


「「父さん！/親父！！」」
「き、鬼太郎ー！！白夜ー！！」


光線により目玉おやじまでもがダイヤに変えられ、2人は輪入道を睨みつける。
輪入道は容赦なく2人をダイヤへ変えようと炭素光線を放ち、2人は素早く受身を取りつつ逃げ続け鏡の後ろへ何とか逃げ込んだ。


「輪入道！砂かけばばあに懲らしめられ1000年の眠りについたお前がどうして目を覚ましたんだ！」
「お前らはただの人間じゃないな？」
「ゲゲゲの鬼太郎だ！」
「妖魔界皇女、白夜よ！」
「お前が鬼太郎と白夜か！」


輪入道はまた光線を口から吐く、と鏡に反射しその光線は像にあたり像は壊れ、象を支えていた台は倒れた。


「どうだ、俺の力を見たか！貴様らを葬る前に聞かせてやる、うるさい人間どもがちょろちょろ出入りするので目を覚ましてしまったんだ、だから人間共懲らしめてやるのよ、奴らは欲深いからダイヤのひとつのふたつ転がしてやれば目の色変えて集まってくる！」


ぎろり、と輪入道はこんな状況の中でもダイヤを集める社長を視界にやる。


「こら鬼太郎！白夜！貴様らはもうおしまいだ、観念して出て来い！」
「…！白夜ちゃん、ちょっと協力してくれるかい？」
「！えぇ、あんたが言うなら…」


戸田はふとある策を思いついたのか、ひょっこりと顔を出し、白夜も顔を出した。


「輪入道、ここだ！」
「ほらここよ！」


2人を視界にとらえた輪入道はまた光線を放つ。
その時、2人は鏡をダイヤを抱え帰ろうとする社長の方へ反射させた。
社長の防護服はみるみる溶けてなくなった。
再度浴びせられ、社長は頭を抱えた体制のままダイヤに成り果てた。


2人の場所を捉えた輪入道が上へ移動し、
口を大きく開けて光線を放つ。
白夜と戸田は咄嗟の判断により鏡を上に向ける。


「わぁぁっ！！」
「きゃぁぁ！！」


すると光線は輪入道の方へと反射して輪入道は車輪型のダイヤになり、輪入道がダイヤになってしまった為呪いは熔けねずみ男、夢子、目玉おやじは元に戻った。
戸田が片腕で白夜を抱え込んだまま固く閉じた目を開ける…事は既にすんでいた。


「どうやら光線が輪入道の方へ反射したようね…」
「よくやったぞ！鬼太郎！白夜!」
「父さん！」
「魂が冷えてからすぐじゃ生き返れなくなる所じゃった！」
「じゃあみんなも生き返ったのね！」


そう、皆も生き返ったのだ。
”生き返っては行けないものも”生き返ったのだ。


「鬼太郎さっ…きゃあ！！」


そう、ダイヤを集めていた社長達もだ。
社長は夢子を人質に取り銃を彼女の頭に突きつけている。


「こいつを殺されたくなかったら俺たちの邪魔をするな！そっちへ下がってろ！」
「へ、へい」


オドオドと部下がダイヤを割ろうとする…その時、鬼太郎が声を張り上げた。


「待て！そのダイヤは人間の屍だぞ！」
「…おらもうやだぁ…」
「社長、もうやめた方がいいんでねぇですかい」
「けっ、怖気付きやがって！もういい貴様たちには頼まん！俺が一人でやる！」


ダイヤを大量に拾い社長へ媚びるねずみ男を蹴飛ばし脅す社長に眉をひそめる2人。


「まずいことになったぞ」
「迂闊でした…」
「そうよ、こいつらも蘇ったのよ…面倒ね」
「化け物も退治してもらったしこれで邪魔ものはお前らだけって訳だ、覚悟しろ！」


銃を発砲しようとする社長に鬼太郎がリモコン下駄を飛ばし、銃を手から離れさせた。
その隙に白夜が銃を奪い、鬼太郎がちゃんちゃんこで視界を塞ぐ。
…その時、鬼太郎のアンテナがまた立った。


「…ダイヤに妖気が戻っている！」
「デタラメ言うんじゃねぇ！」
「鬼太郎！白夜！あれを見ろ！」


鏡を目を移すと輪入道ダイヤに妖気がともり、戻りそうになっていた。


「輪入道にまだ妖気が残っているんだ！」
「輪入道が蘇るぞ！鬼太郎！#NAME1##！鏡じゃ！あの鏡をやるんじゃ！」
「任せて！…必殺！！覇王閻魔砲！！」


白夜が妖気をチャージし、その妖気を一気に放出させ…強大な妖気のエネルギー砲により鏡を割った。
すると周りのダイヤは不気味な悲鳴をあげながらボロボロと崩れてゆき竜巻と共に灰となり消え、事件は解決した。