雨の中、助けた子供…ゴクオーと
出会った香澄
母親からの電話でまさかの
同棲が決まった
いきなりの決定に香澄は
困惑したが直ぐに順応し
これからの事を考え始める



「(部屋は1部屋空いてるからいいとして…
いるものは…生活用品とかだよね…)」
「…ね…ねぇ、ゴクオーくん
いるものとか買いに行こうと思うけど
一緒に行く？」
「ん？いいねー行こうぜ！
な、ネコカラス」
「にゃあ！カァ！」



香澄の申し出にゴクオーは
ニカッ、と笑いOKをだした
なら決まりだとカバンに財布等を詰めると
香澄は上着をはおる。




「なら、行こっか…この辺で買い物するなら…
んー、モールでいいかな…
…ねぇ、モールで夜ご飯食べてこ、どうかな」
「賛成賛成！！」
「…ん、じゃあ行こうね」




香澄の提案にゴクオーは
賛成だと喜んで返事をした
部屋の電気を消し、鍵をかけると
鍵を鞄に治してモールへと歩く…



「…」
「(無言が気まずい……)」



移動している間の無言……
なにか話題はないかと香澄は
冷や汗を垂らしながら視線をあちこちに
やりながら考えて………
ふと、話題を思いついた。



「…そうだ、ゴクオーくん、その…」
「んぁ？」



ゴクオーの金色の瞳が香澄を捕える
彼女が話題というのは「なぜここに来たのか」
だったのだが…



「(なんでここに来たの、とか聞いたら
なんか……嫌味に聞こえるかも、うーん…)」
「…ゴクオーくん、は…あの……
ご両親とか何してる人？」
「オレっちの親？」




悩みに悩んだ末に親のことを聞くことにした
親が共働きで、とか予想を立てながら
聞くとゴクオーは考える素振りを一瞬見せると
再び香澄の方を見上げた。




「俺っちを置いてどこかに消えた」
「！？…え、ごめ…」
「ウソだよ〜！」
「へ、ウソ？」




ゴクオーの発言に申し訳ない事を聞いたと
後悔し謝ろうとしたその時
ゴクオーのウソ発言で肩をすかした。




「ゴメンなオネーサンウソウソ！
オレっちの親は共働きなんだよな」
「あ、そうなの…？そ、なんだ」
「(まーウソだけどな)」




香澄はゴクオーの言葉に
ほっ、としたがゴクオーのその言葉も
嘘であるということは知らなかった。