「ふー特売セール間に合った…
当分大丈夫だな、食料は」



土砂降りの雨が降る中
香澄は傘をさして買い物袋を
下げながら歩いていく
高校入学を一人暮らしを初めて2年
だいぶ一人暮らしに慣れてきた
一人暮らしのマンションへと
帰るために足を急がせた
そしてマンションが見えてきて
鍵を取り出して自分の部屋へと
行こうとしたその時…




「………あれ…？」




自分の部屋へと目を向けたのだが…
マンションの前で雨宿りをしている
男の子がいることに気がついた
変わった被り物をして
黒いシャツにオレンジのネクタイをした
風変わりな男の子
その傍らには黒猫の頭にカラスの体をした
変わった動物がパタパタと飛んでいた
彼はシガレッチョを咥えながら
土砂降りの雨空を見上げていた




「…………多分雨に降られて雨宿り中だな」



彼の体はびしょ濡れであり
雨に降られて雨宿り中であると
言うことが見てわかった




「(……小学生に声掛けて不審者とか言われないかな)」



そんな風に心配になったがこのままでは
目の前の少年が風邪をひいてしまうと
香澄は傘をさしたまま
少年に近づき声をかけた。




「…雨宿り？濡れてる、よ…風邪ひくよ」



そう声をかけると少年が見上げてきた
彼の金色の瞳が香澄を移した
彼は香澄の言葉を待っている
様だった。



「……濡れたまんまだと風邪、引くからさ…」



オドオド、としながら香澄は
マンションをさした




「…うち、入って雨宿りしたら…どうかな…」




そう勇気を振り絞って発言すると
彼はにぃっ、と笑みを浮かべて
「ケケケ」、と笑い声をあげた。




「そんじゃあ甘えてもいい？オネーサン」
「ん、うん…放っておけないし入って」
「お邪魔しまーす」




香澄は少年を部屋へ通すと
鍵をかけた。