最強男爵の巻

「…何だこの妙な予感は」



土蜘蛛は起きてから嫌な予感がしていた
悲しいかな、この予感が外れた事は無い
憂鬱な気持ちで土蜘蛛が外へ出る…と



「なぁッ!?またか!!」



狙ったかのように土蜘蛛
目掛けてシルクハット型のUFOが
降ってきた
土蜘蛛はそれを避けて様子を見ていると
中から1人の男とロボットが現れた。



「ラッキーマンに変身する、追手内洋一という奴の家はこの辺の筈だが…」
「なにぃっ!?お主なぜ!」
「ついに見付けたぞ!!追手内洋一、いやラッキーマン!!」
「なぜ我輩の正体を!」
「どうして知ってるかよーく教えてやろう」




電柱から下りるとその男は
メカを取りだし100円を入れろと
要求してきたが土蜘蛛は断った
土蜘蛛が断ったことで渋々
最強男爵は語り出した

彼の名は最強男爵、彼はなんでも
宇宙征服を企んでる際に自分のうちと
間違えた初代ラッキーマンが入ってきて
企みがバレて逮捕されて懲役20年の刑に
処されたことを憎んでおり、最近脱走
してきてラッキーマンに復讐をする
ためにやってきたらしい




「そのラッキーマンと我輩とは
別人であろうが我輩は関係ない」
「うるさーい!我輩はラッキーマンが
憎い!そしてお前もラッキーマン!」
「ふぅ…要するにお主の相手を
すれば良いと?」
「え、そんな簡単に変身すんの?」



土蜘蛛があっさりと相手をすると
言い出し最強男爵はあっけに取られていた。
変身を渋ると思っていっぱい食わせるくん
用意したのに、とつぶやきながら…



「面倒だ、さっさと片付ける」




土蜘蛛は変身すると最強男爵に向けて
ニヤリと笑った




「さぁ来るが良い」
「ぐぬぬ!今こそお前をワガハイがお前を倒すために発明した最強の武器を出すとき!!それがこれだ!!」



ばさっ!!とマントを翻して出したのは…
上に穴が空いた謎のメカ…これはなんだと
首を傾げたがメカに堂々と名前が書いていた



「その名も雨雲発生機の雨雲どんどんくんだ!!」
「雨雲で我輩を倒せるとでも……む?」




最強男爵がスイッチを入れると
どうした事か、土蜘蛛の胸のマークが
大吉から大凶に変わったでは無いか!
ラッキーマンと言うヒーローは
幸運の星が隠れると運の力が無くなる
それを最強男爵を見破っており
雨雲どんどんくんを作ったのだ。




「ぐわっはっはっ呆気なく作戦成功!!大凶になったお前は動けないだ…」
「だがそれは先代の話であろう」
「ってあれ!?!?普通に立ってる!!」




これで土蜘蛛は動けない…と
計算していた最強男爵だったが
なんと土蜘蛛はケロッとして立っていた
驚きながら最強男爵は土蜘蛛に聞く




「な、なんでお前平気なんだ!?」
「何度も言う、先代ならば動けなかった
であろう…だが我輩は運だけでは無い
実力も備わっておるのだ運が無くなった
位で倒れはせぬ!!お主の計算ミスだ!!!」




土蜘蛛はそう告げると高く飛び上がり
拳を最強男爵に向けて振り下ろす!!




「”衝撃スタンプ”ッ!!!」
「あーれーーっ!!覚えてろーー!!」





土蜘蛛の衝撃スタンプで最強男爵は
吹っ飛んでいき…なんだ手応えが
なかったな、と土蜘蛛はでかいため息をついた




「ふん、くだらぬ」
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