何だこのオヤジはの巻

「おはよう」
「「おはよー追手内くん!」」



土蜘蛛は今日も普段通りに登校してきた
今日から席替えしてです代の隣に
なった訳だが彼女は顔は醜いが
至って善人な為よい、と土蜘蛛は
気にせずに席に着いた
そして生徒がほとんど登校してきたその時!
放送が学校に響き渡った




「全校生徒につぐ、火事だーっ!!1階から火が出たーっ!!逃げろーっ!!以上!!」
「重要事項はもっとあるであろうが」




なんとも雑な火事が発生したという
放送が響き土蜘蛛もとりあえず
生徒達と共に避難しようと振り返ったのだが




ズルッ!!ゴスッ!!!





「ぐおっ!?」




足を滑らせて転び頭を強打した
土蜘蛛はぼんやりとした意識の中
自分のツキの無さを思い出した




「(そ、そうだ我輩は日本一
ついておらぬ人間であった…)」



こんな時にツキの無さが…と
自分のツキの無さを恨みながら
土蜘蛛は意識を飛ばした





「…む……しまった逃げ遅れた」




そして次に目を覚ました時には
すっかり火の海、これはいかん
さっさと脱出するかと
窓から降りようとしたその時
土蜘蛛の耳に1人の女の子の
泣き声が聞こえた




「えーん、えーん!!
ラッキー様助けてー!」
「見代!…変身した我輩をご所望か」




ならば仕方あるまい、と土蜘蛛は
廊下に出るとらっきょうを取りだし
1粒口にすると変身し、みっちゃんの
前へと出た




「見代よ!無事か!」
「きゃー!ラッキー様ー!」




バッ、と勢いよく飛び出すと
土蜘蛛はみっちゃんをおんぶすると
窓を破って飛び出した。





「せいっ!!」

「あ!ラッキーマンだ!」
「みっちゃんを助けてくれたぞ!!」





土蜘蛛はみっちゃんをクラスメイトの
元へ下ろすと彼女の頬の煤を払った




「火の海の中よう頑張った」
「い、いえそんな…助けてくれて
ありがとうラッキー様」




ぽっ、と赤い頬で土蜘蛛を見つめる
みっちゃんに無事ならいいと目線を
外した土蜘蛛は1人の宇宙人に目がいった




「ん!?」




容姿はどう見てもオヤジ
でも口から炎を出して学校を
燃やしているではないか!!
あいつが元凶だと土蜘蛛は
指を突きつけた




「おい!!寺子屋を燃やすその
許せぬ所業!!貴様が犯人か!!」
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