ナイトメアからナイツとリアラが
消えて現実世界で生きると決めた
あの日から数十年がすぎた

ジャックルらナイトメアンは
歳をとらなかった
そしてナイトメアンの血が強かった
ナルとリオーレも
歳を取らなかった
彼らは寿命が長かった


だが‥ルアとアイ
ナイツとリアラは歳をとり
髪が白くなりしわも増え
すっかり老人となった



「今なら間に合いますよリアラ様、ナイツ様」
「何が？」




ロッキングチェアに座り揺られながら
瞳を細めてナイツは尋ねる
ジャックルはナイツとリアラが
人間となったことについて良しとは
思わなかった
馬鹿なことをしたものだ、
人間なんかになったからそんな姿に
なるんだとジャックルは2人を見る



「今ならナイトメアンに戻れる
若い姿に戻れる、どうです？」



この手を取れば若返ることもできるし
永遠に生きることも出来るのだと
ジャックルは手をさし伸ばしたが
リアラとナイツは首を振り
リアラは穏やかに微笑んだ




「いや、私は人間のままでいる
もちろんナイツもな
百も承知で人間になったんだ
私は妻と共に老いていきたい」




彼女がいない世界に生きても仕方ないだろう？
くすくす、と笑いながら2人はジャックルに
そう尋ねるがジャックルは首を傾げた




「‥分かりませんね、なぜ人間1人の為に」
「それが誰かを心から愛するという事だ」
「お前にもそんな奴が現れたら分かるよ」




穏やかな老人となった元ナイトメアンは微笑んだ
他のナイトメアン達からすれば
「なぜこんな愚かなことをしたのか」
分かりはしないだろう

だが自分の人生に悔いは無い
そう微笑むのだった