「‥ナル？」



呆然、とした様子で見下ろす
シャドウの目の前には血濡れで
倒れるナルの姿
彼女の体は傷だらけで
息も絶え絶えで‥
気がつけばシャドウは病院の
椅子に座り彼女の手術が終わるのを待っていた
無意識のうちに病院へと彼女を送り届けて
彼女の仲間たちは泣きながら、唇を
噛み締めながら手術が終わるのを待ったが‥



「このままでは血が足りない！！」
「彼女に適合する血がありません！！」
「このままでは‥！！」




ここで悲劇が起こる
ナルに適合する血がなく
輸血ができないという
このままではナルは‥‥
の仲間たちの泣き声を後ろに聴きながら
シャドウは自身の腕に目をやり‥‥‥




「‥‥‥‥」




しばし考えるとシャドウは
医者にこう告げた






「僕の血を使え」




シャドウはしてはいけない事をした

「不老不死」である自分の血を使うと
いうことがどういうことか分かっているのに


ナルに自分の血を分け与えたこと


これがどういう事か分かっているのにも
関わらず……分け与えたこと…




…………………………………………………………………


「いやぁ、悪い悪い…」



ヘラり、と申し訳なさそうに笑う
ナルにエミーが抱きつき
ナルがぐえ、と声を出した。

ナルはシャドウの輸血のおかげで助かった

怪我も普通ではないスピードで治り
全て元通り



元通り



になるはずだった