シャドウは彼女に会いたい時は
空を見上げる
空を見上げればもしかしたら
悠々と空を飛ぶ彼女が現れる
かもしれない、と言う期待も込めて。
現れるか現れないかは彼女の気分次第
現れるかどうかは分からないが
見上げた際彼女を見かけられた時の
心が暖かくなる感情が何よりも心地いいと
シャドウは感じていた。




「……ん」




ふと街中で空を見上げる

すると、遠い空にナルの
姿が見えて足を止めた
遠く小さく見えるナルを
じっ、とみていると彼女が
こちらを見た
シャドウを見つけたナルは
ゆっくりと下降してシャドウの元へと
降りてきて笑顔で話しかける。



「ようシャドウ、奇遇だな久しぶり！
元気か？」
「僕は病気などしない、君は相変わらず
フラフラしているんだな」
「俺は自由気ままに世界を飛び回るのさ」



腕を頭の後ろで組んて寝転がるようにして
ナルはふわふわと宙を漂う。
そんな彼女がどこかに行ってしまいそうで
くい、と服の裾を掴んでシャドウは
その瞳を合わせた。



「エージェントのしての仕事って
息つまらねぇ？」
「別にそう思ったことは無い」
「ふーん……そういうもん？
俺わかんねぇな」




確かに自由奔放な彼女には
行動を縛られるエージェントは
向いていないなとシャドウは
一息、ため息をつき
こんな所も何故かソニックに似ていると感じた。



「たまには息抜きしようぜシャドウ、
俺と飛んでみねぇか？」
「…デュアライズか？」
「嫌か？」



す、と腕をさし伸ばす
ナイトメアンの姿になったナル
シャドウは口角を上げて、ナルの
手を取った




「楽しませてくれるんだろうなナル」
「勿論さ」




ナルとのデュアライズは
シャドウにとって甘美なものだった
彼女の体が、声が、全てが
自分の物となって自分の体として
動いている「ナルを支配している」
という感覚が……なんともたまらないのだ、と




「空の旅を楽しめよな！！」




そう明るく笑うナルを
いつか手に入れたい
シャドウはそう願うのだった