爽やかな風が吹きルアの
黒髪がなびき、ナイツのその瞳に映る
そしてナイツの手は自然にルアの
髪へと伸ばされてルアの
髪を梳くってルアの耳を掠めた。



「…ん、ふふ」



擽ったそうに笑う声は
どこか胸が温かくなる
鼓動がやけに響いて聴覚に響く
ルアはナイツの方に
振り向いた。




「どうしたのナイツ」
「いや、ただ」



ただ、と言いかけてまた彼女に
手を伸ばして片腕でルアを
抱き寄せれば甘い香りがふわりと
ナイツの鼻腔を掠めた。




「ただ、お前に触れたかっただけ」
「何よそれ」




もう、と呆れてる様に見えるが
幸せそうに笑ってくれるルア
心の底から溢れた感情が思わず
口に出そうになった、がナイツは
その言葉を途中まで詰まらせた




「i'm in…」




そう言いかけて、ナイツはルアの
髪に顔を埋めて小声で囁いた。





「l ove with you 」




聞こえないだろう、そう思っていたのに…
ルアはナイツの背に腕を回して
彼の胸に擦り寄ってきた。




「i'm in love with you too」



確かに聞こえたルアの返事
そんな返事を聞いて、ナイツは
彼女を抱きしめる力を強めた。




「(叶う事ならずっとお前と一緒にいたい)」




そんなナイツの夢は叶わない




「(だってお前もいつかは
夢から醒めて俺を忘れるんだろう)」




夢と現実、叶わぬ恋
叶う事ならば、叶う事ならば





「(限られた時間を君と生きたい)」