そのまま爆睡し始めた天才マンの体を
どかしてベッドに寝かすと熱い顔を
覚ますかのように手をパタパタと仰いで
気を紛らわせた。


「……っあ、痕ついちゃってるや…」


壁に着いた鏡を見ると、首元にいくつか
キスマークが着いていたことに気がついた。


「……あのまんま天才マンが寝なかったら…」


寝なかったら…あのままあれ以上の事をされて
一線を超えていたかもしれない、とまた
顔が熱くなり首を左右に降った。


「…明日とりあえず天才マン怒ろ」


ジャケットの襟をたてて、とりあえず明日
彼の頬をつねってやると思いながらドアを開けると


「うわぁ！！！」
「うぉっ！？」
「へ？」


友情マンや男のロ、マンやスペードマンといった複数のヒーローが尻もちを着いて倒れ込んだ。
ドアに張り付いていたらしく鈴音がドアを開けた事で倒れたのだが…


「……皆？なにしてんの」
「あ、えーっとね！！これ違うんだよ！！」
「そ、そうそう！！決して聞いていたとかそんなんじゃ！」
「そうそう！！なんか色っぽい声聞こえたからもしかしたらエッチなことしてんじゃねーのかなとか思ったわけじゃ！！」
「お前それほとんど言っちゃってる！！」


彼らに対して鈴音はぷるぷると震えて
顔を真っ赤にして叫んだ。



「〜！！んもーーーー！！！えっち！！！バカーーー！！」
「わー〜！！ごめんごめん！！ごめんって！！」
「謝る謝る！！謝るからサーベルやめて！！サーベル！！」



怒りと恥ずかしさに任せて茶柱サーベルを伸ばして振り回しながら盗み聞きしていた彼らを追いかける。
謝りながら逃げる友情マン達と鈴音
の追いかけっこはしばらく続き、その間
天才マンは気持ち良さげに眠っていた。


「バカーーー！！！」
「うおぉっ！！？？あぶな！！ごめんって！！ごめんって！！」

「…あれ？師匠と…友情兄さんたち何してんでしょうか？」
「知らね」


勝手にやらしとけ、と勝利マンは
凶器の手入れをし続けた。