恋バナから続く雑談‥
しかし未だに鈴音と天才マンに
まだ動きは見られなかった。
恋バナからもう一人の自分に興味を持ったのは‥
他でもない、もう一人の天才マンとラッキーマンだった


「‥しかし分からないな‥」
「？何がだ」


首を傾げて聞いてきたもう一人の自分に
問い返した。


「1人だけの女性を愛する私か‥全く想像できない、女性全てを愛する私にとっては‥」
「ふっ、まぁ前までの私ならば同じことを言っていたな‥だがな、心の底から1人の女性を愛して、そしてその愛した1人の女性に愛されると言うのは幸せなことなんだ」


目を細めて頬を染めてそう語る天才マンの
顔は本当に”幸せ”と言った表情で‥
その顔を見た鈴音はぽっと顔を
赤くして下を向いた。


「天才マン‥や、もう照れちゃうじゃん」
「本音を言ったまでだ」
「2人のムードだねぇ‥」
「だねぇ」
「‥そんなものなのか‥」
「君もいつか心の底から好きな女性が出来たら、分かるさ」
「来るだろうか」


考え込む天才マンを見たラッキーマンは、
続いて口を開いた


「でもさーいいなぁ〜ラブラブな恋人いるのって」
「えへ、そうでしょー」
「僕もみっちゃんとそうなりたいけど、人間追手内洋一の時はついてないから‥嫌われてるんだよなぁ」
「みっちゃんに‥？」


鈴音からしたみっちゃんは、
わがままだが優しくて保育園の時からの
付き合いなので全く想像がつかなかった。


「鈴音ちゃんはいいなぁ〜、人間の時でもヒーローの時でもラブラブで‥」


そんなラッキーマンこと洋一からしたら、
ヒーローの時でも人間の時でもラブラブな
2人は‥羨ましいという言葉しかなかった


「ラッキーマンくんは本当にみっちゃんが好きなんでしょ？だったら‥思い続けてればきっと伝わるよ！」
「そうかなぁ〜‥？」
「うん、そうだよ！！」
「‥ま、そういうことにしとこっかな〜！」



鈴音の慰めの言葉に前向きになった
ラッキーマンはまた笑顔を浮かべて姿勢を
ただした。
それを見て微笑んでいた天才マンはぴくり、と
体を跳ねさせたかと思えば‥外をふと見た。



「‥！‥そろそろかな」
「あぁ、そうだろうな」
「えっなにが？」
「鈴音、そろそろ行くぞ」
「えっ？」
「‥迎えが来るぞ」


立ち上がると、扉へ向かい歩き始めた。