「やっぱり最強男爵かぁ〜…」
「あっちの世界の男爵もろくな事しないなぁ…」
「全くだ、作戦は穴だらけでろくなものじゃなかったしな……所で…」
「へ？」


天才マンが目を移したのは、ほけーっとした
顔のラッキーマンであった
ジロジロと彼を見ながら口を開く。



「………お前がラッキーマンなのか？」
「へ！？あ、うんそうだよ、女の子じゃないけど！！」
「全然違うんだな、鈴音と」


やはりここはパラレルワールドなのだな、
と実感して変な気分になる。



「そっちの子はやっぱりラッキーマン…なんだよな？」
「そうだ、ラッキーマンで間違いない…最も、女の子だから”ラッキーちゃん”と呼ばれているがな」
「………うぅん…」
「！！」


眠っている鈴音の髪を撫でながら
寝顔を見ていると、鈴音がうなり出して瞼が開かれた
彼女が目を覚ましたことに天才マンが
寝ている鈴音近づく。


「鈴音！！」
「……てん、さいまん……？あれ、私…男爵のメカに………」
「ああ……私とお前は男爵のメカによってパラレルワールドへ来てしまったようだ」
「…パラレルワールド……？…！？」


起き上がり周りを見ると三兄弟と……
もう一人の天才マンと、男の子のラッキーマンガいたことに驚いて傍の天才マンにしがみついた。


「！？天才マンがもう1人！？…そしてあなたは…？」
「あ、ど、どもーラッキーマンですよろしくねー…」
「えっ？え、私もラッキーマンだよ…？でも男の子？あれ…？」
「鈴音、ここはパラレルワールド…私たちの世界とは異なる世界だ、だから全くの別人がラッキーマンになっていたりしてもおかしくないんだ」
「あ、そっかぁ…」


よろしくね、と挨拶をしてお辞儀をして
改めて座り直して話を戻す。


「えーとどこまで話しましたっけ？最強男爵のメカでここに来たんでしたっけ確か」
「そうだ」
「それなら、どうやって元の世界へ戻るつもりなんだい？この世界にその男爵が作ったメカがあるならまだしも、ないとなれば…」
「戻れないってこと！？この2人！！」
「！？そんな…！」


戻れないというワードにびくりと肩を
跳ねさせ青い顔をする鈴音の
背をさすって、天才マンは口を開く


「それならば大丈夫だ、心配は無い」



「え？問題ないって？元の世界に戻れる方法あるの？」
「ふっ…私を舐めていないか？私は天才だよ、どうやって元の世界へ戻れるかも知っている」
「え！？どうやって！！」

「心配しなくとも、私の計算によれば後1時間もすれば私達の世界の勝利マン達がこちらの世界へきて迎えに来る、だから大丈夫だ」



天才マンはもうどうやって帰れるかを
計算済みだったらしく余計な心配はして
いなかったようだ。
それにほっと息をついた鈴音。



「お前らの世界の俺たちが…、そうか例のメカを使ってか」
「そうだ、修理してこちらの世界へ来るはずだ」
「なーんだ！！なら無事帰れるんだ良かったじゃん！」
「うん！良かったよー！！」


そして一方、その元の世界の三兄弟はと言えば…



………………………………………………………………………………



「おいテメェェ！！！マヌケ男爵！！よくも俺のライバルと惚れてた女を別の世界に飛ばしやがったな！！戻せコラ！！ぶっ殺すぞ！！」
「げふっ！！ごふ！！やめ、ブッ！！しゅ、修理する！！するから！！やめ！！」
「兄さん！！やめてください気持ちはよく分かりますが男爵を殺してしまえば修理できる人がいなくなります！！」



一方その頃、男爵はと言えばキレた勝利マンに
馬乗りになられてボコボコに殴られており
それを努力マンにとめられていた。


「そうですよ兄さん、ねぇ最強男爵？ここで修理してくれたら兄さんも恐らくやめてくれると思うんだけれどどうかな？してくれるよね？」
「わ、わかった！！わかった修理するから！！」


友情マンに圧をかけられ勝利マンに殴られ
顔がボコボコになった最強男爵はボロボロの
姿のままで修理を始め、そんな男爵に流石のバトラーくんも同情した。


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そしてまた戻ってパラレルワールド。


「でも天才マン…ありがとうね」
「？なにがだ」
「メカの事だよ、私の方に向かってきた時咄嗟に庇おうとしてくれてたでしょ？ありがとう…でも、無理しちゃだめだよ」


天才マンの腕を握って鈴音は
下を見ながらそう呟いた。


「…私のせいで天才マンが怪我しちゃうのやだもん」
「……それは私も同じだ、目の前で君が傷つくのは嫌だった」
「天才…」


お互いを心配しあう2人のムードに
周りのパラレルワールドのヒーローたちはヒソヒソと話し出す。


「なんなのなんなの？あのふたりの雰囲気！」
「2人のムード…って奴ですかね？」
「もしかしたらお付き合いしてるとかじゃない？」
「まさかんなわけねぇだろ」
「…っふ、私には分かっているがな」