もしもの世界、という物をみんなは想像した
事があるだろうか？
そのもしも、が別の世界で現実のものとなっていたとしたら？
もしもお父さんとお母さんが結婚してなかったら？
もしも…


自分が男の子だったら？
自分が可愛い女の子だったら？


それはその”もしも”が繋がった話…






「パラレルワールド、ってさぁ信じる？」
「パラレルワールドぉ？なんだよそりゃあいきなり」


珍しく5人で下校しながら鈴音が
話題に出したのは、パラレルワールドという
物についての事だった。
突然なんだと口を開いた勝利とは真逆で
友情はそのワードを聞くと笑顔で答えた


「あー！もしかして鈴音ちゃんも昨日のドラマ見た感じ？」
「うん！！」
「ドラマ？」


友情が話題にだしたのは今人気のドラマの話だ
そのドラマの内容は”パラレルワールドの自分と出会った主人公が冒険をする”
という内容で、面白く人気のあるものであった


「あー、そのドラマみてパラレルワールドはホントにあるのかどうなのかって言ってんのか？お前メルヘンな所あんなぁ」
「な、何よー！あるかもとか思ったっていいじゃーん！！」
「ふっ、あながちないとは言いきれんかもしれんぞ勝利」



そう雑談しながら歩いていた一同
しかしそんな平穏を壊す声が聞こえてきた



「そのとぉーーーーーーりっ！！！！」
「！？誰だ！！」
「！その声は‥！」



どこかで聞き覚えのある声が聞こえて
鈴音は辺りを見回す
辺りを見回すと電柱の上に人影が見えた。



「ワガハイだ！！！久しいなラッキーちゃん！！」



シルクハットにスーツの男、そう彼こそは最強男爵…なのだが


「‥えーっと、何男爵だっけ？」
「ずるっ！！！」
「(ぷぷっ、忘れられてやんの)」


なかなか登場しなかったものだから
鈴音に忘れられていた。
それだけではなく、努力以外の3人は
最強男爵とは今回が初対面に近い‥



「知り合いか？鈴音」
「なんか私に恨み持ってて何度か勝負挑まれたんだけどえーっと何男爵だっけ」
「男爵芋？」
「誰がじゃがいもだ！！」
「髭男爵？」
「違う！！」
「違いますよ友情兄さん、勝利兄さんえーとさい、さい‥埼玉男爵でしたっけ」
「さいしかあっとらーん！！」


何度も突っ込んで疲れてきた男爵に
心底ざまぁ、というふうに影で笑うバトラーくん…
「っふ、忘れているようだから教えてやるがそいつの名は最強男爵だ」
「あ！！そうそう最強男爵！！さすが天才！！」


天才がさらり、と名を教えてやると
あースッキリした！！と言うふうに
ポン！と手を叩いた鈴音と努力
忘れられていた最強男爵は血管を浮かび上がらせて叫んだ。


「ワガハイを忘れるとはいい度胸をしているなラッキーちゃん！！！今からその呑気な笑顔を泣き顔に変えてやろう！！ぶははは！！」


よーじよーじと電柱をよじ下がってきながら
そうつげて降りてきた男爵。



「さぁ！！さっさと変身しろラッキーちゃんとその他もろもろ！！地獄を見せてやろう！」
「「誰がその他もろもろだゴラァ！！！」」



その他もろもろ、と言う発言に勝利と努力が表情を豹変させて叫んだ。


「むむ！そう言われちゃ変身するしかないじゃん…変身しよ、皆！！」
「言われなくても」
「その他もろもろと言われてしない訳には行かないよね！！」


それぞれらっきょやトンカツあげ道具、筆に半紙等変身道具等を取り出し、
お決まりの変身ワードを叫んで変身した。

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そして5人はそれぞれの変身方法で変身すると、改めて最強男爵へ向き直った。


変身したことを確認した男爵は不敵な笑みを浮かべると懐から何やらクローゼットのような形をメカを
取り出すと高らかに叫んだ



「この”パラレルいっちゃうくん”でな！！」
「あれ、何そのメカ…てか、パラレル言っちゃうくん？」


パラレル、という先程まで話していたワードが聞こえて鈴音は首を傾げる



「ふふふ…教えてやろう！！これはパラレルワールドに行くことの出来るメカ…」
「ほー、そのメカでどうするって？」
「よくぞ聞いた、ワガハイはこのメカでパラレルワールドにいき！！パラレルワールドのワガハイと強豪してお前を倒そうと言うのだ！！」
「「なにぃ！？/ええっ！？」」


まさかのパラレルワールドに行くという言葉に三兄弟と鈴音だったが
あくまでも冷静なのは天才マンだけだった


「それで行けたとしてもだ、突然もう1人の自分が現れたパラレルワールドのお前は対処できるのか？」
「ギク…」
「それに、パラレルワールドのお前が善人である可能性もあるぞ？その場合は？」


痛いところをつかれて最強男爵はダラダラと汗を流す。