「そ、そんな馬鹿な！！たった1ヶ月で！？」
「そして地球に自分の城を建築しているらしい…宇宙で1番住みやすい星、地球を全宇宙統一の本拠地にすると言っていた！」
「なに！？地球を！？」


居場所がわかった勝利マンたちは早速飛田くんを地球に向かわせることに決めた。


「よーし分かった地球だな！！友情マン！！地球に飛田くんを向かわせろ！！そして世直しマンに勝つ！！」
「OK兄さん！」
「地球で決戦か…！」


天才マンもどうやらもうすぐ向かうらしい。


「勝利マン、私の方もこの天才的な技術で作っている宇宙船戦闘機がもうすぐ完成する！そうしたらすぐ地球へ向かう！！」
「そしてそのスーパースターマンも！！」
「お前はいいつーのーーーっ！！！じゃあ、地球で会おう」


邪魔してきたスーパースターマンをスクリューキックで蹴り飛ばして、天才マンは通信を切った。

「おーぅ！！」


天才マンが通信を切ったあと、友情マンががぽつりと口にした。


「天才マンは随分とラッキーマンの事を大事にしているようだなぁ」
「もしや天才マンはラッキーマンちゃんの事を……？」
「そうなる…んですかね？」


会長のその言葉にぴくり、と眉を動かして反応したのは勝利マンだった
少し間を置いて、大きく声を上げる。


「雑談してんじゃねー！地球に全速前進だ！！天才マンに先越されるんじゃねぇぞー！！」


会長の「もしや天才マンはラッキーマンちゃんの事が」の言葉が聞こえた際…


勝利マンの胸の中に、天才マンに対する謎の対抗意識となにやらモヤモヤが湧いたが…
今はそれどころでは無い、と勝利マンは心のモヤモヤと対抗意識に蓋をした。
その答えは薄々分かってはいたが…
今はまだだ、と




一方、通信を切った天才マンは一人がさり、と
音を立ててあるものを取り出した。
鈴音に返してもらったヒーロー認定証だ。
そこに書かれた”ラッキーマン”の字に眉をひそめて認定証を握りしめて呟いた。


「……ラッキーマン……」


目を瞑れば自分の為に怒って泣い鈴音の顔
自分が無事で泣いて喜んでくれた鈴音の顔…


「お前は…生きているよな…？無事なんだよな…？」


想い人の無事を願い、天才マンは
宇宙船戦闘機の完成を急がせた…
そしてその頃勝利マン達は地球へと
飛田くんを飛ばせていた。
地球へと飛ばせているあいだ数々の星に
”世”のマークがついた星を見かけ勝利マン達は眉をしかめた。


「み、見ろ！！あらゆる星に世マークが！」
「世直しマンが宇宙を支配したというのも嘘じゃないみたいだ…」
「もうすぐ地球でーす！！」

「さすが飛田くん！！早いな！！」


飛田くんの知らせに地球を見れば、
地球にも大きな”世”マークがついていて、
一同は焦り、地球への到着を急いだ。
越谷辺りに入り…地球の様子が見えてきた、様子を見た一同は驚愕した。


「あ…あれは！？」
「なにーっ！？！？」


もう、殆ど世直しマンの城ができている状態だった。
大きなその城を見た勝利マン達は呆気に取られた。


「す、すげーっ…！１ヶ月でこんなものを！？」
「どうやら地球人を奴隷の様にして働かせているようだな…」


世直しマンの城の塔のうち1つが開いて‥椅子に座った世直しマンガ手下ふたりとともに現れた。


「皆の者注目ーーー！！！」
「全宇宙の統一者、世直しマンであーる！！」


「よく聞け手下どもよ！あと三日だ‥三日後にこの世直しマン様の全宇宙統一式典を行う！それまでにこの城を完成させるのだ！！そしてその日は私の結婚式でもある！！そしてその相手は‥」


塔の1つを指さして、高らかに叫んだ。
そこには見覚えのある女の子が窓から顔を出して居た‥
そう、みっちゃんだ


「日本一美しい中学生奇麗田見代である！！」
「いやーーっ！！助けてーーーっ！」
「いいか私に逆らうものは皆殺す！私に従わぬものは宇宙の秩序を乱す者だ！！」



そう演説している世直しマンの城の地下牢…
そこに捉えられている少女はそれを聞いて声を上げた。


「ふざけないでよー！！みっちゃんは貴方みたいな人のお嫁さんになんかさせないんだから！！」


そう、安否を心配されていた鈴音である。
彼女は牢の中に入れられており、牢から出られない状況だった…
遡ること１ヶ月前の事だった。

あの日爆発に巻き込まれた鈴音は…
世直しマンに腕を捕まれ攫われたのだ
彼女の力は使える…と。
抵抗をしたが世直しマンの力は振りほどけずにそのまま地球に連れていかれて、
地球に着く頃には…鈴音の変身が解けてしまい捕らえられてしまったという訳だ。