「お前にはラッキーマンの気持ちが分からんのか!なぜお前の命を助けたと思う!?なぜ認定証をお前に返したと思う!?お前にヒーローに戻ってほしいからじゃないかーっ!!」
「…ラッキーマン…」



天才マンは鈴音の方を見る。
会長のちょっと後ろにいる彼女の姿を目にすると、胸が高鳴る。
顔に熱が篭もり…目を離せなくなる
普通ならば病気を疑うところだが、
不思議と嫌な気分ではなかった。

その不思議な感情が…


「この戦いで、自分の欠点が分かっただろう？それを克服すればお前はもっと強くなれる…それこそ完璧にな！認定証を無くさなければその欠点に気づく事もなかった…長い試練だったと思えばいいではないか」



その様子を面白くなさそうにモニターから見ていたのが…
そう、よっちゃんであった。
彼はニヤリと不敵な笑みを浮かべてボタンを押す。


「所詮ラッキーマンにも勝てんような男…そんなやつは…いらん！！」


ボタンを押すと、天才マンの後ろからレーザーが出てきて彼を狙い始めた。


「(会長の気持ちもわかるが…しかし…)」


そして天才マンの背中に向けてレーザーが発射された
レーザーは天才マンを貫く…と思いきや、ここで鈴音のラッキーが起こった。
その頃ペンダントを眺めていた鈴音。


「このペンダント綺麗だなぁ…そうだ、ママにあげようかなこれ、ってわぁ！？」


鈴音がペンダントを眺めていると、カラスが現れペンダントをくわえて飛んで行ったのである
それを追いかける鈴音は、前に天才マンがいることに気が付かなかった。


「待ってー！！」
「うわっ！？」


レーザーが当たる直前、鈴音は
天才マンに正面から思いっきりぶつかり倒れ込んだ
そのおかげで天才マンはレーザーから逃れ…どこも怪我なくすんだのである！



「(ラッキーマン…二度までも私の命を…そんなにまで私の事を…!)」
「うぁ…びっくりした、死ななくてよかったぁ…」



天才マンは自分の上でほっと息を吐く鈴音の事が、誰もよりも愛おしく
誰よりも、手に入れたくて…守りたい存在のように思えた。
そこで天才マンは、ようやくこの感情が何なのかがわかった。

今まで惚れられたことはあっても…逆はなかった
だから分からなかったんだ、でも今ならわかる


「(……私は、彼女の事を……ラッキーマンの事を………好きになって、しまっていたのか…)」
「(……これが恋…胸が、苦しい)」


自分が彼女に惚れていると
赤い頬で、要約自覚をした。
これが恋なのだと
目の前の少女を、自分は愛しているのだと
熱の篭った目で鈴音を見つめながら‥