「す、すげー…」
「またつまらぬものを蹴ってしまった…」
「な、ナイスシュート…」


パワーマンを倒した努力マンは次に、
観客に礼や賞賛を？を浮かべながらも受け、
手を振っている鈴音の方へ駆け寄った。


「師匠！！危ないところを助けていただきまたしても自分の未熟さと師匠の偉大さを思い知らされました！！私の爪が甘かったばかりにうんたらかんたら…」
「えっ、なになに？それよりすごいキックだったね！さっすが努力マン！！」
「し、師匠ー！もったいないお言葉です！！」

「努力…」
「兄さん?」


努力マンは勝利マンに声をかけられ、兄の方へ振り向く。



「お前……強く、なった……な」



勝利マンはそれだけ言い残すと意識を失った
勝利マンの方へ急いで駆け寄る努力マン。



「っ、兄さん!!」
「安心しろ、死んじゃいないさ『死んだら負け』ってのが兄さんの口癖だからな。死にはせん。本当に強くなったお前を見て安心して眠りについただけだ」


落ち着いてみれば勝利マンは涎をたらし豪快ないびきをかき、眠っていた。


「ゆっくり寝かしてやろう」
「イビキも豪快だな」
「おやすみなさーい…」

「さて、もうひとり助けなければ行けない奴がいたな…捕まれスーパースターマン、私の鉄下駄を預かってくれてありがとよ」


穴の中に手を伸ばすと、軽々と片手でスーパースターマンを持ち上げた。
鈴音はそれに目を大きくさせて驚いた。


「わ、凄い60トンの下駄持ったスーパースターマンを！」
「ハハハーッ!!ただ埋まっていたのではない!!よっちゃんがこの下にいるに違いないと思って調査しようと思っていただけさー!!」
「えっ」


鈴音はそれに1人の黒執事のおじさんを頭にうかべ、汗を垂らした。
まさかね…と自分に言い聞かせて、頭を振る。
これで終わったかと思われたが…まだ終わ　っていないことに皆気がついてなかった。
忘れていたのだ。

相手が”もう1人いた”ということを！！






グサッ！！！



「…っえ、」


ぴちゃり、と鈴音の顔に赤い血が飛び散る。
努力マンの胸に突き刺さる鋭い槍
それは…パワーマンの武器となっていた鋼鉄マンの姿だった。
時間を得て、状況を理解した鈴音は…サッと顔を青くさせた。


「っや………いやぁぁぁぁぁぁ！！！努力マァァァァン！！！！」


彼の名を呼ぶ鈴音の声が、大きく響いた。