「…それで、どうしたの？
相談したいことって？」


それぞれ天才マンと鈴音は
星奈と天城を膝に抱っこしながらも
勝利マンの相談を聞くことにした。
勝利マンは目線を下にやったまま
黙り込んでいた…がその手に握り
しめられているのは特別養子縁組の紙だ



「…………相談できるのがおめーらしか
いなくてよ、間近で相談できんのが」
「で、その相談とは？」
「まずはこれみてくれ」
「ん？」



そう言うと勝利マンは机の下に
隠していた特別養子縁組の紙を
すっ、と机の上に出した



「「！！」」




勝利マンの出したその紙に
勝利マンが何を相談したいかが
2人にはわかった…
そして勝利マンは鈴音と
天才マンに目線を合わせて話す




「…俺は、あの子を…助けてきた
あの子のことを養子に迎えたいと
思っている」
「養子…！？」



こくり、と頷いた勝利マンに
鈴音と天才マンは
目線を互いに合わせ合うと
膝の上の我が子に目をやり…
真剣な面持ちで勝利マンに向かう




「…勝利マン、それは本気で言っているのか？」
「本気だ」
「あの、でもね…ひとつ言わせて欲しいの
双子の子の親として…
里親って言うのは…親って言うのはね、
簡単に出来るものじゃないんだよ」




膝の上で遊ぶ我が子の頭を
撫でながら目の前の勝利マンに語る…




「子供や赤子の面倒を見たことが
あると言っても”弟”とはまた違うんだぞ
”自分の子”なんだ…実の子でも、この
天才でも大変だと言うのに…
それだけでは無い、引き取ったとして
いつか血が繋がっていないことが
壁になる日が来る、その大変さと
事実を全て受けいれた上で言っているのか」

「俺が生半可な気持ちで言うと思ってんのか」




真っ直ぐとした新鮮な瞳で
答える勝利マンは本気だと
分かった天才マンはひとつため息を
ついて…1番大事なことを聞くことにした。