「！勝利マンさん、どうかなされましたか？」
「さっき預けた赤ちゃんに面会
頼みてぇんだけど、いいか？
寝てるならいいんだけど」
「起きてますよー、こちらへ！」



施設の職員に案内されて
施設の中を進むと、何人もの
赤ちゃんが寝ている部屋へ
通されて…職員がその中の
1人の赤ちゃんを抱きあげて
勝利マンの腕に渡した。




「その子ですね？」
「！おう、この子だ…この緑の髪、間違いない」
「う、うーっ」




赤ちゃんは勝利マンにむかって
腕を伸ばしてくふくふと笑う
その様子を見て勝利マンは
思わず頬が緩む




「…ご機嫌だな、よしよし」
「あう、あう、だぁーっ」



その赤ちゃんを腕に抱くと
さっきまでソワソワしていた気待ちが
あっという間に晴れて気待ちが満たされた
どこか愛おしくって、幸せな気持ちになる




「…………そうだ、これこの子に」
「あら、ガラガラですか？ありがとうございます〜」




勝利マンは背中からガラガラを取り出すと
職員に赤ちゃんへ、と伝えて
腕の中の赤ちゃんにガラガラを手渡す




「ほれ、お前にやるよ」
「きゃー！きゃあ！」
「そうかそうか嬉しいか」



満面の笑みでガラガラを振る
赤ちゃんに笑みがこぼれた
その様子を天才マンが影から
こっそりと見ていた…



「……」



…………………………………………………………………………………

「勝利マンさん、ありがとうございました」
「いえ、またきます」



職員に頭を下げて施設から
出た勝利マンの後ろから
天才マンは姿を現して
声をかけた




「勝利マン、やはりここだったな」
「！天才マン、テメェ…着いてきてたのか」
「ふっ、天才だからお前が行く所も分かってしまった…」



前髪を指でとくと、眉を下げて
微笑みながら勝利マンに向かう



「…随分とあの子に入れ込んでいるようだな」
「…………何となく、気になって仕方なくてよ」
「…だが…」



一息置いて、天才マンは
勝利マンに忠告した




「あまり入れ込むのも程々にな…
あまり入れ込むとお前も、あの子にも
悲しい結果になるぞ」
「………………」




天才マンの言葉に、勝利マンは
目線を下にやって黙り込んだ…