赤ちゃんを施設に預け、勝利マンは
ヒーロー協会に戻ってきた
そして出された茶を飲み一息つくと
話はさっきの赤ちゃんのものになった



「…………ねぇ、さっきの赤ちゃん
どうなるんだろう」
「そのまま施設に預けられるか…
里親があの子を引き取るか、だな」
「しかしあの子も可哀想だな…
生まれて直ぐに親を失うとは」
「…親の方も無念だろう、生まれて
すぐの我が子と死に別れたんだ」



すやすやと鈴音が自分の膝で
眠る我が子二人の頭を撫でながら
赤ちゃんのこれからの人生はどうなるのか
そして赤ちゃんの親はさそがし無念だろう
と子を持つ天才マンと鈴音
そしてもう時期親になる友情マンと
アサシンマンは深く同情した。



「…私だったら耐えられない」
「…私もそうなったら成仏できない」
「………………」




その話を聞き流しながら勝利マンは
どこか上の空で自分の腕を見つめていた
先程まで赤子が収まっていた自分の腕には
まだ温もりがあった




「ねぇ勝利マン………勝利マン？」
「……………」
「…兄さん？ 」
「………」
「兄さんってば！！」
「うおっ！？」



声をかけてもぼーっとして
答えない兄に努力マンが耳元で怒鳴る
事でようやく勝利マンは反応した




「お、あーなんだ？」
「赤ちゃんの話だよ、勝利マンが
助けた赤ちゃんの話してたんだけど
聞いてた？」
「悪ぃ聞いてなかった」
「…さっきから上の空だが
そんなにあの赤ちゃんが気になるか？」
「…おう」



目線を窓の外の景色に移して
勝利マンは答える
しばらくそう答えてぼーっとしていた
かと思うと、背中を漁り
とあるものを取り出すと…



「…ちょっと出てくる」
「あ、兄さんどこへ」
「…行く所は1つだろう……私も行くがな」
「天才マン、よろしくね」
「あぁ」



急ぎ足で出ていった勝利マンの
後ろ姿を天才マンが追いかける
膝で星奈と天城が寝ているため
動けない鈴音は天才マンに
任せて置くことにした