「せーちゃん！！天才！！」
「せーちゃぁ」
「！！まま！ままぁ！」


少し遅れてその後を天城を抱っこした
鈴音か涙目でやって来て
天才マンと共に星奈を抱っこしている
天城と一緒に抱きしめた



「よかった…！！せーちゃん
どこも怪我はない？何も無かった？」
「せーちゃんおけがないー」
「うー！」


天城が足をばたつかせて星奈の
持つソフトクリームのコーンを指さし、
天才マンはようやくコーンに気がついた


「安心し……ん？ソフトクリームのコーン？」
「あれ？せーちゃんこれ誰に貰ったの？」
「おいしゃん！」
「おいしゃん？……！！お前は、」
「あー！最強男爵！！」



天才マンと鈴音は後ろにいる
最強男爵とバトラーくんにようやく気づき
天才マンは星奈を抱っこしたまま
男爵を睨みつけた


「やっと我輩に気がついたのか！！」
「空気でしたねラジャ」
「何しに！さてはまた鈴音を」
「おいしゃんあいしゅくえたの」
「な、なに？」
「えっ、男爵が？」



警戒していた天才マンは
まさかの男爵が娘の面倒を
見ていたと聞きかくんっ、と
軽くズッコケかけて鈴音は
目を丸くして男爵を見た



「お礼…あ、ありがとうございます出来た？」
「あいまとごじゃましゅ、したー 」
「そっかそっか…ありがとうね男爵！」



明るい笑顔で礼を言う鈴音に
男爵はそっぽを向いて答える



「ふん！！単にそのチビが我輩に
着いてきたから仕方なくだ！！」
「何言ってんだなんだかんだ言いながら
世話焼いてた癖に…」
「バトラーッ！！！」


ゴツン！！


「いでー！！また殴る！！」


照れ隠しにバトラーくんにゲンコツを
する男爵にくすくす、と笑うと
鈴音は男爵に小さく頭を下げた


「じゃあね男爵、バトラーくん、ありがとね」
「娘を見てくれて感謝する…ではな」
「「ばばーい」」
「はいはいばいばーい」


そう言って鈴音と天才マンの
親子をバトラーくんと見送った男爵は…
肝心の目的を思い出し叫んだ




「あーーーーーっ！！！ラッキーちゃんを
逃してしまった！！せっかく対ラッキー
ちゃん用のメカ持ってきたのに！！」
「でもちっちゃい子もいましたし〜
天才マンもいましたしカッ！！されてたと
思いますよ男爵様」



最強男爵は星奈の顔を思い出して
ふっ、と笑うと背を向けた



「……………まぁいいか」



勝負ならいつでも出来る、
それに小さい子を巻き込む訳には
行かない…と男爵は今日のところは
引き上げたのだった