「…しかしバトラー、この子の顔
どこかで見たことがないか？」
「ん？そういえば誰かに似てるような…
誰に…うーん」


バトラーは悩みながらビルのスクリーンを
見ると、CMだろうか？スクリーンに
ちょうど天才マンの姿が写りバトラーは
電球を頭の上に浮かべた


「…あ！！思い出しました男爵様、
天才マンだ！天才マンにそっくりです
この子供」
「天才マンんん〜？……ん！？確かに！」


何度かスクリーンの天才マンの顔と
星奈の顔を見比べると男爵も気づいて
星奈の顔を指さした


「んゆ…？ぱぱ！」
「「え！？パパ！？！？」」


スクリーンを見た星奈はお口周りに
ソフトクリームをつけて小さな
指をさしてそう叫び、その言葉に
バトラーくんと男爵は驚いた



「て、て、天才マンがパパァ！？！？
…て事は…」
「お前のママの名前は…」



怒る恐るといった様子で母親の
名前を聞くとソフトクリームを
食べながら星奈は答えた



「んむ、はむ…まま、らきちゃん」
「やっぱし！！！男爵様この子
天才マンとラッキーちゃんの子供ですよ！！」
「子供ォォォォォ！？！？いつの間に！！」



いつの間にか宿敵に子供が出来ていた
事に男爵は驚ろいた…が、その時
ひとつの悪巧みが浮かんだ


「(ん？待てよ？…この子供を
人質にしてラッキーちゃんを倒せるかも…)」


と、考えたが…隣でぺろぺろと
ソフトクリームを舐める星奈の姿をみて…


「(やっぱやめた)」


その考えはボツにした
星奈の持つソフトクリームが
コーンのみになった時…星奈がなにかに
気がついて辺りを見回す



「…ぱぱ？ぱぱー！！」
「え、なに天才マンいるの？来るの？」
「ぱぁぱー！！せーちゃんここらよ！
ぱぱー！！ままー！！あっくんー！！」


目に涙を溜めて走り出し、
辺りを見回し両親と弟を探す
星奈を呼ぶ声が聞こえてきた




「星奈ーーーーーー！！！！！」

「！！ぱぱー！！」



すると人混みから顔色が青くなった
見るからに慌てて探していたのだろう
天才マンが現れて星奈を抱きしめた



「〜っ…！！良かった……心配した、無事で
良かった…！！」
「ふぇ、うぇぇえごめなしゃい…！」



もしもさらわれていたら
もしも危ない目にあっていたら、と
思うと気が気ではなかった
天才マンは若干震える手で我が子を抱きしめた