「……………」
「…ひっく、ぐす…ぱぱ、まま…」
「…男爵様この迷子どうするんですかラジャ」


最強男爵とバトラーの目の前にいる
泣く小さな女の子に男爵は頭をかき
どうするかと悩んでいる様子だった



「おいチビ、名前は？パパとママは」
「う、うー…せいな……ぱぱとままとあっかん、わかんない」
「…面倒なことになったな」


ラッキーちゃんを倒しに来たのに
迷子に絡まれるとは思わなかった、と
最強男爵は顔を顰めた


「…せーちゃんおなかへった…」
「腹が減ったァ〜？おいバトラー何とかしろ」
「(えぇなんとかしろっつったって…)
お、お嬢ちゃん何食べたいの？」
「…う！」


ぴ！！と星奈が指を指した先には
ソフトクリームの看板が


「…バトラ〜、買ってこい」
「へいへい、ラジャ(自分で買ってこいよ)」
「あいしゅ？」
「大人しく待ってろあのドラム缶が買ってくるから！！」
「(誰がドラム缶だこのやろう)」


ブツクサ、とバトラーが文句を垂れながら
ソフトクリームのバニラ味を買いに行き
その間男爵は近くにあったベンチに
星奈を座らせるとその隣にどっかり、と
座り込みバトラーを待った



「お前のパパとママは何やってんだ…
ヒーロー星にいるんだからヒーローなんだろ？」
「ぱぱとまま…ひーろー！」
「やっぱり…………んん？」


こくこく、と頷く星奈に何か気づいた
男爵は星奈の顔をガン見しだした




「(なんかこのチビの顔見た事あるな)」
「う？」
「(どこで見た事あるんだっけ)」



なんかどっかで見た顔
でもどこで見たんだっけ、と頭を
悩ませているとソフトクリームを
買ってきたバトラーが戻ってきた。



「買ってきましたラジャ」
「ご苦労、ほれこれでも食ってろ！！」
「！あいしゅー！」


星奈にアイスを渡すと星奈は
嬉しそうにアイスを受けとって
食べ初め、先程までのべそかき顔から
笑顔にかわった


「落ち着いたかチビ」
「ん！えとねー」
「なんだ」
「おいしゃん、あいまとーござましゅ！」


ぺこ、と小さくお辞儀をした
星奈に男爵は小さく笑うと…



「…ふ、」
「ひゃー！」



ちと乱暴気味に星奈の頭を撫でた