「野球拳って…あれだよね？」
「ねぇ？」
「ねぇ天才マン野球拳って…あら？どこいった？」


にやにやしながら聞こうとしたヒーロー達に
勝利マンが答えた



「ラッキーちゃんにこの戦いは見せん方がいいってラッキーちゃんを連れ出してったぞ」
「「あぁ…」」



確かに見せない方がいい
みんなそう納得した


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一方その頃野球拳が始まり盛り上がる中
学校の外に連れ出された鈴音はと言うと



「ねぇー天才私なんで見ちゃダメなの？」
「…それはまだ言えん」
「？？」


手を握ったままで少し歩くと
辺りを見回し壁に寄りかかる。



「終わりまで待つぞ」
「ん？うん」



なんで見ちゃいけないのかを教えて
貰えないのが不満だが従う事にした。
彼の隣に寄りかかり待つことにして



「………ラッキーちゃん」
「ん？」
「父さんから聞いたよ、私が帰ってくるのを待ってくれていたんだと」


鈴音を見ながらそう話す
天才マンの表情は嬉しさと、あんな事を
してしまった後悔が混ざっていた


「…操られていたとはいえ、あんな態度をとるなんて」
「気にしないでってば、戻ってこれたんだし…信じてたし」



ぎゅ、と天才マンに抱きついて
彼の胸に耳を当てる形となる
抱きつかれた天才マンは頭を優しく
撫でてされるがまま。



「…ありがとう」
「もう、離さないでね」
「当たり前だ」



抱き締め返して…しばらくそうしていた
天才マンはそろそろ終わる頃だ、と
少し体を離した



「そろそろ終わる頃だ」
「！そうなの？じゃあ戻ろ」



また手を繋ぎ会場へ戻れば…
鼻血で濡れたオヤジマンと
ラマンちゃんの前に土下座する数人のヒーローと会長
この謎の状況に鈴音は首を傾げる



「なんの状況？」
「知らん方がいい、どうやらセーラーマンが勝ったらしいな」
「ほんと！？ヤッタね！！」



鈴音的にはなんで勝ったかは分からないが、
野球拳はラマンちゃんが勝利を制したのだった