「げ…！」

「これは…」

「う…うそ！」





先ほどまで威厳よくきらびやかに輝いていたヒーロー協会は跡形もなかった。
巨大な要塞型宇宙船が空に浮かび…
この会長室以外の施設も建物も…
全て全て、破壊しつくされたあとだった。




「な…なんて…ことだ。ヒーロー…星が！」
　
『お前たちが会長室で遊んでいる間に、ヒーロー協会は破壊した！このヒーロー星で生き残っているのは、お前たちだけだ！』

「謎の宇宙人よっちゃんだな！その要塞の中かー！」

『その通り。私は逃げも隠れもしない。』

「出てこーい！勝負だ！そして俺が勝つ！！」

『ふふふ。私と戦いたければ、まず私の右腕である5人の戦士に勝つことだ！』

「な…なに、5人の戦士！？」



その言葉に一同がざわついた。



『そう。たった１０分でこのヒーロー星とできの悪いヒーローたちを潰した優秀な戦士だ！』

「な、なに〜っ…このヒーロー星をこんなにしたのがたったの5人だと？」

「ひえ〜…」

「ヒーロー星には少なくとも10万の兵士とヒーローがいたのにたった10分で…！」



鈴音はその恐ろしさに改めて身震いした。
　


『その６人に勝てなければ、会長もヒーロー協会も全宇宙のヒーローも滅びるのだ！そして…全宇宙は我が手に…』

「うるせー！負けるかー！」

『さぁ…破壊と殺戮のためにヒーロー星にちらばった我が戦士よ！我が手に戻るのだ！』




よっちゃんのその声とともにへんな…指がない手のようなものが降りてきて五色のクレヨンを連想させるような細長いものが集まってきた。


「あの細長いのがそうか…」

「そうだね、ちょうど5人いるもん」




「小指グリーン！」

「薬指イエロー！」

「中指ブルー！」

「人差し指レッド！」

「そして！親指グンジョー色！！」


「「グンジョー！？」」




なんでグンジョー、黒とかあったでしょ普通赤じゃないそこ…？と鈴音は心の中で突っ込んだ。



「「「5人そろって！？」」」

「「「お手手戦隊指レンジャー！！」」」

「グワシ！！」

「古いよー！！今時の子知らないよ、管理人も読者様も知らないよー！！」




鈴音がつい勢いよくツッコんだ。




「お前らなど…よっちゃん様の敵ではない！私たちで充分だ！」

「かかってきなさい！」



そう告げるとまたパッと離れた。




「結局また離れるんならくっつくなよ」

「くっついた意味は…？」


「何もともあれこちらも5人になった訳だ。」

「だからわしは戦わないって言ってるでしょー！？会長なんだから〜〜！まだ君たち四人だ！」



その時、



「はー、すっきりした～。」

「ん？」

「ありゃ！？スーパースターマンもいたの！？」

「おー！五人目がいたー！！」

「なんだ親父指差すんじゃねーよ」



トイレから、スーパースターマンが出てきたのを見て、会長が嬉しそうに声を張り上げた。




「あの会長彼は…正式なヒーローじゃないんですよ、それに弱いし…」

「えっ、そうなの〜？でもいいよ頭数だけでも揃えば…ようは最悪でもわしが戦わずに済むんだもん」

「何それ〜…」




かくして、5対5の勝ち抜き戦が始まろうとしていた…