ヒットマンはヒーロー協会に
潜り込み会長の暗殺を目論んだが
勝利マンと鈴音のファインプレーにより
失敗に終わった


「さぁ、手当ては終わった！これで僕らは友達だ！」

「うぅ…敵なのにありがとう…」



ヒットマンを治療し終えた友情マンが
彼を抱き起こして優しい言葉をかける。
ヒットマンは感動に涙を流している。




「さぁー、友達の私に君を殺し屋として雇った謎の宇宙人『よっちゃん』の居所を教えてくれ！」

「え…それは…」

　　　　
口ごもるヒットマンに友情マンは傷ついたような演技をする。



「なに～っ！？手当てまでした友達の僕にも話せないというのか！？君がそんなやつだったとは…！」

「いや…それはプロの殺し屋として依頼主の秘密は…」

「じゃあ仕方ない、イヤでも白状してもらい友達になってもらう！」
　
「くっそ〜…うまいこと言って拷問で履かせるのか…」

「バカだな〜友達の体を傷つけるようなことを僕がするわけが無いじゃないか…」　




そう言うところは、ちゃんと律儀なのだ彼は。

友情マンはにこやかな笑顔で自分の耳の１部である『握手』の小さな手を取り出した。
　



「あっ！？あれ取れるんだ…」



鈴音はそこに驚いた。
じゃあ勝利マンの耳も取れたり…？と考えている間に友情マンはヒットマンの体をくすぐり始めた。
　



「わーったわーった！白状するから、ひぃ〜っ、助けて〜！！」



酸欠になりながら叫ぶと友情マンはくすぐる手を止めた。



「さーっ、よっちゃんはどこだ？」

「よ…よっちゃんは………うっ！？」

「「！？」」



突然頭を抱え、床を転げ回り苦しみ始めたヒットマンに全員が息を呑んだ。




「う、うぎゃあああ！」

「げげ〜っ！？目から変なものが…」

「いやぁぁぁぁ！！ぬ〜べ〜先生！来てぇぇ！」



来るわけがないだろう。別漫画のキャラが。


片目がぼろりとはずれ…

その目の奥から何かがもぞもぞと出てきたのを見て、軽く吐き気を覚えた。
片目から出てきたアリらしき生物は斧を取り出し、勢いよくヒットマンの頭に振り下ろし……



「ギャッ！」



ヒットマンは不快な音を立てて絶命した。



「げっ、死んだ…」

「ぬ〜べ〜早く来てぇええ！」　




だから来るわけないって。

　　


『こんなこともあろうかと…殺し屋の頭の中に高性能の盗聴器と殺人鬼を仕込んでおいたのだ。裏切り者は殺すそれがこのよっちゃんのやり方だ…』

『いかにも！ヒーロー協会会長よ！こんな奴に私の居場所を聞かなくても、私はもうその部屋の入り口の前に来ている！お前たちの命をもらいにな、ハハハ』

「な…に…」

『なお、この盗聴器は0、5秒後に爆発する……』




ドカァァン！！



「きゃあああ！0、5秒じゃ逃げる暇ないって！！」

「しかし謎の宇宙人よっちゃんはもうこのドアの外に来ているといっていたな！」

「まさか！」




勝利マンが勢いよくドアを開けたそこには…