鈴音との放課後デートに
ご満悦な天才はマンションへと帰宅した。
父はまだ帰っていない様子なので‥



「さて、と」


キッチンへと立つと調理を始める
平日の夕食作りは彼の役目だ。
今日は簡単に焼き魚にする事にした
夕食を作りおえると‥


「ただいま」
「おかえり、父さん」


毎回タイミングよく神才が帰ってくる
ちょうど並べ終わった夕食に
食欲そそられる。



「お、今日は魚なんだな」
「栄養面を考えた結果さ」
「ありがとう天才」


そう言って頭を撫でられると
天才ははにかんで嬉しそうにする‥
父が来るまではコンビニで済ませる
事が多かった、が‥
父が来てから‥1人だった生活が
彩り、暖かなものになった



「(やっぱりいいな‥家族って)」



これが家族の温かさだと
改めて実感して天才は
神才に席に着くように促した


「さ、父さんカバン置いて座ったらどうだ」
「あぁそうさせてもらうよ」



カバンを自分の部屋においで
背広をハンガーにかけると
席について、息子の作った夕食を食べる。
これが神才と天才のごく普通の平日である
家族とは、やはりいいものだ