階段を上ると先にあったのは…
海の見える岬…そして白く輝く鐘…
その光景を見て鈴音は
顔色を明るくさせた。


「わぁ…綺麗！！」
「少しは気分良くなったか？」
「…うん！」


笑顔で勝利マンに例を言う鈴音。
そしてその後を追いかけてきた
天才マンが階段から様子を見る…



「…一体何を…」



勝利マンは景色を見ていた
鈴音の背中を見ていたが…
ゆっくりと歩み寄ると彼女の肩を掴んで
自分の方へ振り向かせる…



「あっ！…勝利マン…？」
「…………ラッキーちゃん………」



両肩を掴んで自分を見つめる
勝利マンを不思議そうに見る
鈴音…そんな2人を見て
天才は顔色を真っ青にさせた！！



「な！？まさか…！！」



「…勝利マン…？何…」
「……………ラッキーちゃん……俺は……俺は、」


「っ！！」



天才マンはそんな二人を見て堪らずに飛び出した。
ダメだ、ダメだ…！！

いくらでも謝るよ
今度はあんな泣かせ方しない
心の底から大事にする、約束しよう

…だから！！



「(だから、私のそばにいてくれ！！！)」




勢いよく階段を上ると、2人の元へ
猛スピードで走ってゆき大声を上げて
鈴音の元へ走ってゆく！！




「ダメだーーーーーーっ！！！！！」


「「！！」」
「てんさ、いっ！？わぁぁぁぁ！！！」



勢いよく鈴音の元へ
走ってきた天才マンは
そのまま鈴音に突っ込んでいき
2人は共に倒れ込む。
下になって倒れた鈴音は
頭を擦りながらも突っ込んできた
天才マンを見た。



「い、たた………天才マン……」
「ラッキーちゃん、すまなかった！！」
「！」

「ヤキモチと怒りのままに君にあんな乱暴をした上に…酷いことを言って傷つけた事…すまなかった…！！冷静になれなかった私のせいだ！！」



倒れた姿勢のままきつく抱きしめて
思いを口に出す。



「私は…君が勝利マンばかり構っていたから、それが嫌で……勝利マンに取られるんじゃないかと、不安で……！！」
「でも、それは君のことを心の底から愛しているからだ！！あの言葉は嘘だ、本当はどこにも行って欲しくない！！私のそばにいて欲しい！！」

「天才……マン………」