天才マンと鈴音が喧嘩をしている
事も知らぬ壁に耳を立てているヒーローたち…
聞き耳を立てているといきなり天才マンが
勢いよくドアを開けて早足で去っていったのを見てひそひそと話し合う…


「な、なんだ？なにがあった？」
「……もしかして、喧嘩？」
「そうっ…ぽい…な？」


部屋をのぞき込もうとするとすぐに
鈴音がよたよたとした足つきで
出てきたのでドアの影に隠れて様子を見る…



「………天才………なん、どうして………」
「あ、ラッキーちゃ…」



呆然とした様子で耳を抑えていたが…
つーっと涙を流したかと思えば
しゃくりあげて泣きながら歩いていき…
友情マンの手は空を切った。



「…やっぱり喧嘩したっぽい…」
「あの二人が…？」
「どうしよ…………」


「何をしているんだ？」


「「！！」」



その時後ろから声が聞こえ、
振り向くと神才マンと会長が立っていた。
声をかけたのは会長らしい



「あ、会長…実は天才マンとラッキーちゃんが喧嘩したらしくて…」
「え！？あの二人が！？」
「そんでどうしよって話してたところで」
「…ふーむ」



神才マンは息子が去っていった廊下を
暫く見つめていたかと思うとうむ、と
指を顎に当てて頷いた。



「よし、私に任せろ」
「え？神才マンが何とかしてくれるの？」
「ここはこの神才に任せてみろ」


ヒーロー達にウインクひとつしてみせると
天才マンの後を追いかけて行った。



「(ようやく父らしいことをしてやれる)」



内心父らしいことをしてやれることを
嬉しく思いつつ歩いてゆく‥
歩いてゆくと外に出た、辺りを見回すと
外で壁に向き合う形で頭を押し付けて
暗いオーラを発している息子の姿。



「お、いたいた天才」
「！…………父さん…………」



振り向いた天才マンの顔はやはり
暗く思い詰めている様子であり…
すぐに息子の側へゆき壁に寄りかかると
天才マンに目線を合わせる



「喧嘩、したのか？」
「……っ……」
「何があった、話してみろ」
「………父さん」
「ん？」
「父さんは…………母さんに…ヤキモチを妬いたことはあるのか？」
「……私か？」


突如聞かれた自分がヤキモチを焼いたことは
あるのかという質問に神才マンは
目を閉じしばらくの間黙ると首を横に振る


「ないな」
「！？」