「やだ！！ねぇやめて、天才マン……ひぁっ、あっ！」


嫌だという意思表示をするが
天才マンは止まらず…怒りのまま
嫉妬心の赴くまま、鈴音の
耳をかぷりと口に含むと舌で刺激しだす。


「や…ぁ…！！んっ、う！」
「………ラッキーちゃん」
「てんさ、はなし…ひぁ！！」


舌で舐められ愛撫される音が
自分の耳に響いて…赤い顔で震える、が
その時…！！


「んっ…や、あ…！」
「(あれ、腕が緩んでる…？)」


その時、自分でなんとか出来るのでは
と思うほどの力までに緩んでいることに
気がついて…


「やめ、て！！」
「っう！？」


思い切って力のままに突き飛ばして
耳を抑えて赤い顔のままで距離を取った。



「いきなり何するの！！こんな強引な真似！！」
「…いきなり何するの、だと…？お前が私のものだという事を知らせてやろうと言うんだ」
「さっきから何言って…私は純粋に勝利マンを心配して、」
「お前は何も分かっていない！！少しは危機感をだな！！」
「だから！！危機感って何！！仲間を心配しちゃダメなの！？」



何も分かっていない、と嫉妬心が
募り…天才マンは叫んだ



「いい加減にしろ！！！」
「！！」




「私と勝利マン！！どっちが大事なんだ！！」



はぁ、はぁ、と肩で息を切らしながら
叫ばれたその言葉にあっけに取られた、が
すぐに答えた。



「…そんな、そんな事…天才マンに決まって、でも今は」
「勝利マンが気になると？」
「だから！！」

「………………もういい」

「あっ！？てんさ、」



天才マンは背を向けると部屋を出た。
それを止めようとするが一言告げた



「…そんなに勝利マンがいいなら勝手にしろ」
「！！」



伸ばした手は届かず、彼は部屋を出ていき…
鈴音の胸が嫌に高鳴り響いた。
その感情は…不安と絶望のものだったが…



「て、んさい…」



1人、勢いで飛び出した天才マンは
咄嗟に口から出た言葉と
自分の言葉に1人、心を痛めていた。



「(…とんでもないことを言ってしまった、とんでもないことを知ってしまった…)」
「(……勝利マンがいいなら勝手にしろなんて)」

「(…言いわけないだろ…………子供のように癇癪を出して…)」


「ん？天才？どうし…あっ、おい？」



その時、会長と共に神才マンが
通りがかったが天才マンはそんな2人にも
気が付かずに通り過ぎ…
何があったのか、と首を傾げる
会長とは真逆に…



「…天才マン？何があったんだ？」
「…………………」



神才マンは息子に何があったのかを
察して…息子の背中を眺めていた。